マザーズの個別銘柄でよく見かける「機関の空売り」の意図はなんなのでしょうか？

まず、みんなが良く口にする「機関の空売り」にはデマが多いです。下げたのを機関のせいにする、そんな知ったかぶりをする個人投資家は少なくありません。機関投資家がグロース市場などの中小型株に入る場合などは、安定株主としてロングオンリーで入るケースの方が多いんです。海外の金融機関などが空売りを仕掛けるのは、グロースといっても比較的、時価総額の大きい銘柄である場合がほとんどです。

機関投資家の空売りは日本証券取引所グループが公表している「空売りの残高に関する情報」で確認できます。それをご覧になって頂ければわかりますが、グロース市場上場銘柄あたりで空売りを仕掛けられているのは、よく見れば納得できる、人気が過熱した銘柄や脛に傷を持つ銘柄ばかりです。それらの銘柄に入れ込んで頭に血が上っている個人投資家からは「悪の機関」呼ばわれされたりしますが、僕から見れば笑止です。それ、あなたの思い込みですよ。。。

グロースなどの中小型株に空売りを仕掛ける機関投資家は、海外の証券会社とヘッジファンドです。彼らは人気が過熱して、株価が上げ過ぎだと様々な調査から判断できた銘柄を空売りします。ビッグデータを活用して、どこまで下げたら個人投資家が投げるか、なんてことまで事前に検証します。

彼らは取り組む時は大儲けを狙います。何でもかんでも空売りを仕掛けて小遣い稼ぎをするなんてことは、あまりやりません。コストに見合わないからです。機関投資家は信用銘柄でも空売りできますが、それはあくまで理論上です。なんらかの形で大量の貸株を調達しなくてはなりませんからね。それでも空売りされる信用銘柄には、それなりの事情があります。彼らは経済合理性のないことはやりません。