日本の半導体がダメになったのは、主因はやっぱりアメリカの圧力ですか？

米国の圧力で日米半導体協定を結ばざるえなくなったのは大きな要因ですが、それがなくても日本の半導体産業は衰退したんじゃないかと考えています。

まず、メモリに重点を置きすぎ、ロジック半導体で致命的に出遅れたこと、いつまでもメインフレームの時代だと錯覚し、パソコン時代に合わせた半導体事業を展開できなかったこと、ロジック半導体で重要な「デファクトスタンダードを握る」という思考に欠けていたことが挙げられます。

でも、それより大きかったのは、日本の半導体メーカーが「ほぼ巨大電機メーカーの一部門」で、経営者には半導体に関する知識も見識もなかったことだと思います。だからシリコンサイクルを乗り越えるような長期戦略がありませんでした。不況の時に積極的に投資をして好況になったら大儲けしようとした海外の半導体専業メーカーと、不況になったら投資を辞めた日本の大手電機メーカーの間で決定的な差が生じてしまったのは、当たり前のことです。