質問
「リベラル」は昔は自民党内のハト派派閥に与えられる形容詞であって保守の一部だったはずですが、いつ頃から左翼がリベラルを僭称し始めたのでしょう?冷戦終結で存在価値を失った左翼政党がいつの間にかリベラルを自称し始めたような印象はありますが。昔は「革新」や「進歩派」だった人たちはみんな「リベラル」に言い換えされましたよね。そして、気に入らないものは全部「新自由主義」
回答
「リベラル」の定義はかなり難しいです。時代や国によって意味が変わってくるからです。例えば米国なら「民主党左派」が伝統的にリベラルと呼ばれます。民主党左派ですから、けっこう急進的な人々がいます。どう見ても社会主義者にしか思えないサンダースもこの区切りに従えばリベラルです。エリザベス・ウォーレンもリベラルですが、日本人の感覚ではリベラルにしか見えないバイデンやオバマはリベラル派支持で大統領になったものの、彼らをリベラル主義者と呼ぶ声はあまり聞かれません。呼ばれるとすれば、あくまでも共和党に対する民主党という文脈においてです。
英国では自由党がリベラルでした。これは貴族階級や地主層などを基盤にした保守党への対義語です。英国では労働党がありますが、これはリベラルと呼ばれませんから、英国のリベラルは中道派になります。例えば、グラッドストン、チェンバレン、ロイドジョージなんかがリベラル主義者です。自由党の後継である自由民主党は2大政党の英国にあって第3党ですから、英国でのリベラルは現在では政治的には少数派です。
フランス第五共和政では愛国主義のド・ゴール派でも左派である社会党でもない穏健派がまとめてリベラルです。大統領で言えば、シラクは保守、ミッテランやオランドは左派、ジスカールデスタンやサルコジがリベラルということになります。現大統領のマクロンもその意味ではリベラルに分類されるかもしれません。ことほどさようにリベラルの定義は難しく、リベラルについて書かれた政治学の研究書は山ほどあります。
日本では「保守派ではないこと」を自認する人たちが伝統的に自分たちのことをリベラルと自称してきました。おっしゃるように自民党ハト派がそうでした。もともと自民党の英語表記が「Liberal Democratic Party 」ですから、自民党は自分たちをリベラルと称していることになります。日本ではリベラルは長い間、そう定義されてきたと思います。社会党や共産党はリベラルではありませんでしたから、日本のリベラルは長らく「保守穏健派」だったわけです。
自民党を分かって成立した民主党は自分たちをリベラルと称しました。このあたりから、日本におけるリベラルの意味がズレ始めます。民主党は旧自民党リベラル派の議員もいましたが、自民党保守派の議員も旧民社党議員や旧社会党議員もいたので、かなり混成軍だったからです。ただ、この時点では民主党は「民主中道」を掲げていましたから、リベラルと名乗ってもそうおかしなことではありませんでした。実際、海外メディアも民主党をリベラル派政党として報道したんです。
日本的なリベラルの意味が本格的にズレたのは、僕は民進党分裂だと思っています。結果として小池百合子の希望の党と現在の立憲民主党にわかれたわけですが、民進党左派がこの時、民進党リベラル派と呼ばれました。この中にはご承知のように、旧社会党系の左派議員が含まれます。
この分裂に際して、「リベラル派は排除するのか?」と記者から問われた小池百合子が「リベラル派は排除する」と答えたのは有名な話です。これは質問した記者も答えた小池百合子も日本におけるリベラルをよく理解していなかったためだと思います。こうして排除された民進党リベラル派が結成したのが、現在の立憲民主党ですから、そこからでしょうね。立憲民主党議員が自分たちをリベラルだと思い始めたのは。そして、非自民の人々がみんな自分たちをリベラルだと誤解し始めて、今に至ります。最近では社民党ですら、リベラルです。いずれ共産党ですらリベラルになるかもしれません。民進党分裂が2017年ですから、このリベラルの新しい定義はそんなに古いことではありません。
余談ですが、リベラルは保守の対義語だと誤解している方がとても多いですが、これがそもそも間違っています。リベラルの対義語は正しくは「権威主義(パターナル)」で、リベラルの本来の意味は「権威に抵抗する人々」、自由主義者のことです。「保守(コンサバティブ)」の対義語は「革新(プログレッシブ)」です。これ、あの広辞苑ですら間違えているんですよね。日本におけるリベラルに対する誤解は、それほど根深いものがあります。
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