セザンのシカ肉のローストは断面の赤色が美しいですよね。

「セザン」総料理長のダニエル・カルバートさんのことですよね。彼の作るフレンチは計算し尽くされていて、ムダがありません。一皿一皿が繊細で美しいです。そしてどれも美味しいです。ヌーベルキュイジーヌなんだろうなと思っていると、「鹿肉のロースト」みたいな伝統的な一皿が出てくるので、次の皿にはどんな工夫が凝らされているか、待つ楽しみがあります。

「鹿肉のロースト」は僕もどうやっているんだろうと思ってスタッフの人に聞いてもらったんですが、「フライパンのみで20分以上焼き続け、それにポートワインや赤ワインをベースにしたソースを絡めている」という答えでした。マリナードとは言っていませんでした。説明通りならオーブンも使っていないんでしょう。ご本人に直接うかがったわけではないですが。

焼き方とソースに工夫があるんだと思います。断面が美しいのはじっくりフライパンで焼いた焼き加減が絶妙なんでしょう。僕が食べた時のソースはグロゼイユのグランブヌールなのではないかと推察しました。これも「ジュ」の使い方に秘密があるのかもしれないです。それにしても美味しい一皿だったです。

そうですね。カルバートさんのキャリアはまだまだこれからでしょう。いずれ「セザン」から引き抜かれちゃうと思います。今でも知る人ぞ知る有名シェフですが、いずれ世界的なスターシェフになるんじゃないかな。それまでに何度でも「セザン」に行っておきたいんですが、本当に予約が取りにくいですよね。思い付いた時に行くのはもう無理です。でも、予約が取れないわけではないですから、お互い頑張りましょう😊。