おすすめの作家や作品、美術館があれば教えて欲しいです。

シノワズリは17世紀後半から欧州で大流行したから、シノワズリ趣味の家具や陶磁器がたくさんあります。僕が現在持っているヘレンドの「シノワズリシリーズ」なんてその名のとおりです。日本や中国の陶磁器に見慣れた目で見ると、絵がちょっと変で下手なんですけどね🤣。まあ、それも一つの味わいです。「東洋のショーマン」なんて見ていて微笑ましくなります。ヘレンドは特にシノワズリの影響が顕著な窯で、シノワズリ趣味と見られるシリーズが他にもあります。

マイセンだってスタートは景徳鎮や柿右衛門のモノマネですから、シノワズリ色が強いです。マイセンのメインシリーズ「ブルーオニオン」は完全にシノワズリです。「中国の蝶」シリーズやさまざまな柿右衛門様式と言われるマイセンは入手しにくくてお高いですが、見れば笑うと思います。それぐらい一生懸命、中国や柿右衛門の真似をしています。だからモロにシノワズリです。それ以外でも、古い欧州の名窯で中国や日本の陶磁器の影響を受けていない方が少ないです。ロイヤルコペンハーゲンだってシノワズリの影響は濃厚です。

家具ではシノワズリの影響を受けたアンティーク家具が比較的安価に手に入ります。最近人気の高いミッドセンチュリーのヴィンテージ家具よりむしろ安いかもしれません。「ロイズアンティークス」みたいな大手のアンティーク家具取扱店に行って、店員さんにシノワズリの家具を探している、と言えばいろいろ探してくれる筈です。レプリカもありますが、やっぱり本物が僕は良いと思います。これは気分の問題です。

代官山にはシノワズリアンティーク家具を専門に扱う「マンダリン」というお店がありますから、ここで探すのも手です。でもやっぱり新しいものがいいというのであれば、米国の「ジェニファーテイラー」という家具ブランドがシノワズリ趣味の家具を展開しています。

家の名をシノワズリにしたいのなら、いっそ中国骨董家具や朝鮮李朝家具を買ってはいかがでしょう。かなり部屋の雰囲気が変わると思います。ただ良い品物は結構高いです。僕の家にも清王朝の宮廷で使っていたとされる中国家具やかなり出来の良い李朝家具がありますが、お値段はそうとうしました。雰囲気はとても良いですが。ある意味イミテーションである欧州家具のシノワズリアンティーク家具の方がお求めやすいです。

シノワズリは中国や日本のカルチャーが欧州のカルチャーに大きな影響を与えた現象を指しますから、シノワズリ専門の画家とか工芸家がいるわけではありません。とても広範囲に影響を及ぼしているので、専門の美術館もないと思います。