開成中高の教師に成る人は、やはりOBが多いのでしょうか？

質問

回答

先生の公募はしています。ただどうしても「校風」を理解し、学校に特別の思い入れがあるのはOBの先生ということになるので、一定数はいます。

例えば最近、開成高校の新校舎が竣工しました。この建設資金を集めるため、社会的に高い地位があって、うるさい人が多いOBたちに声をかけて、事務局機能を果たすとなると、OBの先生でないと対応しきれないところがあります。

この建築資金を募集する委員会の委員長は丹呉泰健さん(元財務事務次官、現・JT会長)、副委員長が武藤敏郎さん(元財務事務次官、日銀副総裁などを歴任)、加藤丈夫さん(元富士電機会長、厚生年金連合会理事長などを歴任)といった顔ぶれ。

委員には渡邉恒雄さん(讀賣新聞社グループ代表取締役・主筆)、五味康晶さん(三菱銀行副頭取、さまざまな企業の役員を歴任)、久保利英明さん(企業法務で日本を代表する弁護士の1人、日銀のコンプライアンス会議メンバー)、小縣方樹さん(JR東日本代表取締役などを歴任)、若手では松本大さん(マネックスグループ会長)など、うるさ型で、母校の運営に一家言がありそうな方が30人近く揃っていました。

こういう人たちを1人1人訪問して回って、新校舎建築の必要性を説いて回ったのが、OBだった当時の副校長の先生なんですが、こういう仕事となると、OBではない先生となるとちょっと難しいと思います。結局、委員長に就いた丹呉さんは岸田文雄さんを訪問、募金への参加を直々に要請して、岸田さんはこれに応じるとともに、永田町や霞ヶ関界隈にも広く募金を呼びかけました。

こんな話になっているのに、僕ら下っ端が募金に応じないでいられるわけがないじゃないですか🤣。こうして晴れて新校舎は竣工しました。OBが役員にいるゼネコンや建築事務所などが「この仕事だけは落とせない」と受注を争ったと噂に聞きますが😅。

生徒に授業をして勉強させるだけだったらOBの先生である必要はないですが、「校風と伝統を守る」というのも、私立では重要な要素で、開成会(OB会)はこの面ではうるさいです。「タダの東大受験校にしたら、お前ら承知しないぞ」という感じです🤣。

このOBの強烈なプレッシャーに対応しながら、新しい学園の在り方を模索していく作業となると、一定数のOBの先生は必要ということになります。