サウジがドルでの原油取引見送りってやばくないですか？

サウジなどの中東産油国はこれまで事実上、米ドルでのみ原油取引をしてきました。これがいわゆる「ペトロダラー」ですが、これが米国の世界覇権の源泉の一つでもありました。でも、サウジは最近、人民元での原油取引決済を認める動きに出ており、実際に一部の取り引きを人民元でやり始めたという噂まであります。サウジのジャドヤーン財務省は最近のインタビューで人民元はおろか「ユーロを含むあらゆる通貨に対してサウジはオープンである」とまで言っています。

脱ドルは世界的な潮流です。じわじわとそれが進んでいくのは避けられないでしょう。ただ、サウジの通貨リヤルはドルペッグ制を採っていますし、直ちに原油取引で米ドルを排除するのは現実的とは思えないです。サウジは過去、何度かそれに類することを言って、米国を牽制してきましたが。

サウジのドルペッグ制はもう限界に来ていると数年前から言われています。ドル以外の原油取引が実際に軌道に乗って、サウジがドルペッグ制をやめた時が、米国にとって「本当にヤバい時」になると、僕は考えています。