QQQやQLDを毎月積み立てるのはどう思いますか？

この手の話は株クラに教祖さまがたくさんいるから、本当はそっちを当たって欲しいんだけど、一応私見を回答しておく。

投資初心者が、よく調べもせず、個別株投資で長期的に儲け続けるのは困難。だから思考停止して、「Nasdaqは長期的に右肩上がり」という神を信じて淡々と積み立てをして、自分は入金力を上げることに勤しむことには合理性がある。

ただこれには2つの課題がある。

①この神を信じ切れるか？

株クラの教祖さまたちは、だいたい「20年前、10年前と比較してNasdaq指数はこんなに上昇している」と説いて、入信を誘って来ると思う。だけど、Nasdaq指数だって、決して右肩上がりで上昇し続けてきたわけじゃないんだよ。

設定期間が長いQQQの方でグーンとチャートを最大限に伸ばしてみて。特に2000年のドットコムバブルが弾けてから、数年に渡ってQQQの価格は長期的に低迷しているんだ。僕であれば損切りするレベル。

この時に右も左もよくわからない投資初心者さんが、この神を信じ続けられるかがまず踏み絵だよね。毎月、大きな含み損を抱えている口座に淡々と入金し続ける。これは精神的にけっこうタフだと思うよ。実際、僕は株クラのポストを眺めていて、相場が大きく下落した時の悲鳴は、ETFでパッシブ運用している人の方が大きいと思う。自分の中に基準がないからね。

②この神は本当に信じられるか？

ここ20-30年のNasdaq指数の投資リターンは、確かに持ち続けられば非常に好調。これには過去にも触れてきたNasdaq中興の祖、フランク・ザーブさんの手腕に負うところが大きい。それまで米国の証券取引所はNYSEと、その他大勢だったからね。

Nasdaqは勝ち残り組になれたから、たぶん10年ぐらいは安泰。

でも若い人たちも多い指数へのインデックス投資では、30年、40年のスパンで積み立てるんでしょ。そこまで線を引っ張れば、さすがにその時までNasdaq指数が安泰なのかは不明。そもそもそこまで米国経済やドルの覇権が続いているのかも不明。

いざ積み立てたものをいよいよ取り崩す時期が見える頃になって、神に裏切られたら、きっと右往左往するんじゃないの。だって投資判断を留保し続けてインデックス投資をしていたら、投資スキルはたまっていないから、売るか自分では判断し切れないんだもの。人生終盤で神に裏切られたら、ダメージは大きいと思うよ。

この2点を踏まえた上で、自分の投資スキルを上げる手法を見い出せて、インデックス投資をするなら、それは合理的だと思うよ。これは他人の言うことを信じて投資する人にも言えることだけど。スキルが貯まらないのが一番の難点だね。