質問
2024年10月09日 回答
2007年に出版された、地方銀行についての書籍を読んでいるのですが、たびたび「道州制」という単語が出てきて困惑しています。
パッと調べたところ、地方の小規模な自治体は乗り気なところが見える反面、政府は平成20年くらいからあまり触れていないように見えました。
政治にお詳しいりおぽんさんに伺いたいのですが、今の行政では道州制についてどのような姿勢が見られるのか、またその是非を教えていただきたいです。
回答
「道州制」というのは戦前から浮上しては沈んできた議論で、2007年出版の書籍というと、2006年に総務省の諮問機関である「地方制度調査会」が「道州制のあり方に関する答申」を行って、道州制移行時の区分け例を提示したり、その結果、「道州制特区推進法」が交付されたタイミングなので、ここ20年ほどではいちばん道州制が現実的だった時だと思います。
道州制は時の政権の方針がモロに絡んでくるので、「三位一体の改革」で「地方に出来ることは地方に」を打ち出して、「聖域なき構造改革」を訴えた小泉パパと、それを受け継いだ第一次安倍政権で、道州制導入への議論が深まっています。しかしこれを批判した民主党政権で機運が沈静化、第二次安倍政権以降では議論は続けられたものの、2006年前後のようには盛り上がっていません。これは世論調査で反対意見が多かったり、全国町村会や地方自治体の首長からの反発が強かったためだと思います。
岸田さんは明らかに消極的で、自民党政調会長をやっていた2018年に自民党の「道州制推進本部」を廃止していますし、岸田政権時にはあまり議論されていないと思います。武田総務大臣が肯定的な発言をした程度です。
道州制にはメリットもあるんですが、デメリットもあります。
まず①メリットを受けられる地域とデメリットが出る地域がハッキリわかれることです。例えば東北6県(青森、秋田、山形、岩手、宮城、福島)を道州制に移行した場合、おそらく「州都」になるのは仙台市ですが、その結果、従来の「県庁所在地」の重要性が下がってしまい、寂れてしまうのではないのか、という警戒感があります。またおそらく国の出先機関なども仙台市に集約されて行くので、行政サービスの網の目が粗くなったりするのではないかという見方もあります。
ですから過去の自治体の首長の道州制への反応を見ても、「州都」が置かれるであろう宮城県や愛知県、大阪府、そしてすでに「道」である北海道が賛成派であるのに対して、それ以外の県知事からは反対意見が相次いで出されています。例えば北陸道であれば、富山県と福井県が反対派でした。
全国町村会が第二次安倍政権以降では反対するのも、合併特例債と地方交付税削減という飴と鞭で推進した「平成の大合併」の結果に対する評価もあるんじゃないでしょうか。
②道州制の第二の問題点は「地方分権か中央集権なのかの議論が曖昧なこと」です。廃藩置県以降、地方を統合することで、中央集権化を進めてきた歴史があるためです。政府が道州制で「大きな政府」を目指し、地方自治が形骸化するのではないのかという警戒感が地方自治体の首長にはあります。
③3つ目は具体的な問題として、昨今進んでいる「地方ブランド」の戦略見直しや取り直しの作業などが発生し得ることでしょうか。「富山県」としてイメージ作りをしてきたものを、「北陸道」でブランド再構築するのは案外厄介です。
④最後に、これで「都市への集中」がいっそう進んでしまうのではないのか、ということです。道州制について、これによってさらに人や金の集中が期待できる政令指定都市などの大都市の首長は道州制におおむね賛成だったのも、このためでしょう。①と同じく、九州道になれば、福岡市はますます人や産業が集中するけれど、宮崎市はどうなるのか、という話です。
こうした問題点が解決できなかったため、道州制の議論は現在では下火になっていて、地方については「広域連携」という議論に移っていると認識しています。コンパクトシティ推進との絡みで一部の自治体で話が出ている程度でしょう。
現在むしろテーマとなっているのは、「都市の再生」で、これには「都市再生特別措置法」という法律もあります。岸田政権が打ち出した「デジタル田園都市国家構想」もこの文脈で、だから岸田さんは道州制には消極的だったのではないでしょうか。
石破政権はいつまで続くかわかりませんし、肝心の総務大臣が。。。(以下略)。
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