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投資法・投資哲学

金融所得課税が引き上げられたら富裕層は海外に出ていってしまうと仰る方がいますが、どう思われますか?

質問

金融所得課税が引き上げられたら富裕層は海外に出ていってしまうと仰る方がいますが、りおぽんさんはどう思われますか?

回答

たぶんそうおっしゃる方は、現行の日本の税制度をあまりよくご存知ないんでしょう。金融所得課税を引き上げられれば、日本脱出を考える方は当然増えますが、日本政府だってみすみすそれを見逃すようなアホではありません。

まず10年ほど前に「国外転出時課税制度」、通称「出国税」というものが新設されています。これは「時価1億円以上の金融資産を保有している人が外国に移住する場合、出国時に含み益に課税する」という制度です。例えば元本1億円で含み益が10 億円ある株式投資家が税率が安いからとシンガポールにでも移住しようとすれば、出国する時点で、利確しなくてもこの出国税を含み益10億円に対して出国税を支払う必要があります。

出国税の税率は原則15.315%なので、10億円の含み益があれば支払う税金は1億5315万円です。つまり住民税分を除けば、有価証券などなどを利確したのと同じ額の税金を払って移住する必要があるわけです。

次いで「海外に本当に移住しなければならないこと」です。「日本を出国してシンガポールに住んでいる」というだけであると、「日本の居住者」と税務署に判定されて、日本で納税しなければならないケースが往々にしてあります。ネットではよく「183日ルール」、つまり1年の半分以上海外に在住していれば「海外移住」と認められて、日本の徴税を免れるといった話をされている方がいますが、税務当局によるこの「居住者」と「非居住者」の認定は非常に難しく、しばしば法廷で係争の対象になっています。「183日ルール」はあくまで「短期滞在者免税ルール」でしかありません。

確実に日本の税務当局から、日本の徴税対象にならない「非居住者」と認定してもらうためには、

①その人間が1年以上継続して海外に滞在することを必要とする職業を有していること
②その人間がその国の永住許可や長期滞在許可などを得ていることに加えて、生計を一にする配偶者など親族が日本国内に居住していないこと
③その人間の職業や資産状況から考え、その人間が再び日本に帰国して日本で暮らすであろうと推定する事実がないこと

このうちの①②が必須で場合によって③で勘案されるというのが僕の認識です。読めばわかるように、けっこうハードルは高いです。グレーである場合、税務当局との法廷闘争になる可能性があります。実際、年間の大半を海外に在住されていた方が、住民票が日本にあって日本滞在中はそこにある自宅に居宅していたこと、資産の多くが日本の金融機関にあったことから「実態は日本の居住者である」と判断された裁判所の判例もあります。

第3の問題は、例え海外移住しても、日本の課税制度を逃れられるのは、「海外に持って行った資産だけ」であることです。金融資産「しか」所有していない方であれば海外移住は有効な手段ですが、富裕層であれば多くの場合、アセットアロケーションとして日本国内に不動産を保有しています。この固定資産税も売買益も日本の課税制度で課税されます。

また日本に所在地を置く企業に勤務していたり、役員でも兼務していたりすれば、所得税は日本の税制で日本で徴税されます。日本に所在がある資産であれば、売却益も含めて日本の税務当局に徴税される原則です。

第4の問題は相続税と贈与税です。まず日本在住の人から相続があったり、贈与を受けたりすれば、海外居住者であっても、課税されるのは日本ですから、日本の相続税率や贈与税率が適用されます。

また富裕層が海外に移住して、配偶者や子どもにその国の税率で相続や贈与をしようと考えた場合、相続人であるその配偶者や子どもも日本からその国に移住する必要があります。

例えばシンガポールには相続税も贈与税もありませんから、被相続人である僕が永住権でも取得してシンガポールに移住したとします。しかし相続税をタダにするには、妻や娘夫婦など、相続対象をみんな移住させないと意味がないわけです。娘夫婦の場合、現在の仕事を辞めて移住して来なければなりません。これはけっこうハードルが高いです。

しかも昨今の改正で、「海外に移住したから日本の相続税の対象外」と認めてもらうためには、「被相続人と相続人が海外移住して10年経過後」ということになりました。

以上をまとめると、僕がシンガポールに移住して相続税をゼロにするには、国内不動産など国内に所在がある資産をすべて売却して換金、この譲渡所得税をぜんぶ支払い、出国時に保有する有価証券の含み益の出国税をぜんぶ支払い、妻や娘夫婦に日本国内での仕事を辞めさせて、一家揃ってシンガポールに移住して、僕があと10年以上生きることで、初めて意味があることになります。これを本当にやるかどうかです。節税するのであれば、日本国内にいてももっといろんな手段があります。

そして悩ましいのは、「税金」というものには「知らなかった」「わからなかった」という言い訳が一切通用しないことです。知らなかったふりをして、出国税を払わずに国外移住することは、実は不可能ではありません。しかし極めて高い確率で、それだけの金融資産を持っていることは日本の税務当局に捕捉されます。この時、「知らなかった」は通用しないので、追徴課税を喰らったり、重加算税を課せられたりする恐れがあります。脱税には重い両罰規定があるので、引き合わないようになっています。

僕は海外移住を検討したことが何度かありますが、それは税金対策ではありませんでした。

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