TOTOは思ったほど世界展開してないような気がします。なぜでしょう？

TOTOをはじめとする日本の温水式便座、いわゆるウォシュレットは世界に誇れる製品だと思います。でも、あれの導入には前提条件が必要です。

まず温水式便座には電源と水が必要だということです。トイレに電源があるような一般家庭は極めて少ないですし、水もないわけではないですが、硬水なんかだとミネラル分が溜まって故障しやすくなると言われています。いずれにせよ、根本的な工事が必要です。

安いものではないですから、公衆トイレなんかで導入すれば、まず盗難されると思います。そもそも温水式便座は「トイレを綺麗に使う」という文化があって成り立ちます。けっこうな先進国でも、男性が便座さえあげないで小便する人が少なくありません。公衆トイレなんて、とても不衛生なので僕はまず便座除菌シートを持参して、それで拭いてから座るようにしているぐらいです。乱暴に使えば、温水式便座はとても壊れやすくなります。

外国人は日本に来て、温水式便座の快適さに感動しますが、その前提には、トイレを綺麗に使うという文化があるんです。だから公衆トイレなどの綺麗さにもびっくりします。

僕は家を建てるにあたって、世界のトイレを調べましたが、日本の温水式便座以上のものはありませんでした。現在はすべてTOTOの「ネオレストNX」というウォシュレットを使っています。めちゃくちゃ快適だと思います。でも、これだけの高機能な製品を使えるインフラが、文化面を含めると、海外には高級ホテルや裕福な個人家庭など、そう多くあるとは思えません。