得意科目は偏差値８０超えたこともありますか？

偏差値は母集団の質や特性に左右されるからね。大学受験の時の公開模試という話であれば、僕が高校3年の時にメインの他流試合の場としたのは、駿台の東大模試と河合塾の東大オープン、Z会の毎週の通信添削、それに「大学への数学」という月刊誌の巻末にある「学力コンテスト」という数学の問題だった。当時よくあるパターンだったけれど、いずれも母集団のレベルが高い。特に「大数の学コン」は数学好きの猛者(変態)の集まりだった。

でも、ある時、ふと思い立って、当時受験者数が多いことで知られた公開模試を出来心で受けたところ、なんと総合成績で全国1位になってしまった。確か国語と世界史、地理Bも全国首位で、英語が3位だった。これには驚いた。当然、偏差値はバカ高かった。

で、つらつらと成績優秀者の氏名を見ていて思ったんだ。「誰もいないじゃん」。

当時、僕の開成高校の校内模試における定位置は30番ぐらい。だから僕より成績上位者が受けていれば、成績トップなんてことにはならない。加えて、僕が得意科目でふだんライバルだと思っていた、筑駒のA君も灘のB君も桜蔭のCさんの名前も成績優秀者に見当たらない。彼らが軒並みそんな酷い成績を取ることはありえないよね。だいたい受験した学校に灘も築駒も麻布も出てこない。僕がこういう模試を受けていて楽しかったのは、小学生の時、四谷大塚でいつも近いところで名前が載っていた人の名前をしばらくぶりに見つけることだったんだけど、この時はそれもなかった。

つまり「誰も受けていなかった」んだよ。そんな模試で偏差値80を取っても意味がないじゃない。その予備校から記念品はもらえたから元は取れたけど、時間のムダだとしか思えなかった。

母集団が違えば、僕は偏差値80にも50以下にもなる。ただそれだけの話なんだよ。