アメリカの国立公園はお好みではないですか？

もう何百回行っているのかもわからない米国ですが、そのほぼすべてが「観光旅行」ではなくて「仕事の出張」なんですよね。とにかく行っているのが、ニューヨーク、サンフランシスコとシリコンバレー周辺、ロスアンジェルス、そして見本市や国際会議がよく催されるラスベガスです。僕の米国本土の観光は、ほとんどがこうした「出張の合間」になります。

例えばラスベガスの見本市や国際会議に出席して2週間ぐらい滞在すると、2-3日ぽっかり予定が空くことがけっこうありました。その頃にはカジノで遊ぶのにも飽きていて、仲間たちと「どこか行こうか」という話になります。そうして行ったのが、グランドキャニオン、モニュメントバレー、アンテロープキャニオン、セドナ、ホースシューベント、レイクパウエルあたりっていうことになります。もうラスベガスだけで100回以上は行っているので、もはやラスベガスで見たいところは何もないのでそうなります。

こうして観た米国の雄大な自然に感動しなかったわけではないですが、どうしても「仕事の合間に遊びに来ている」という感覚が拭えなくて、心から落ち着いて楽しんだ風景を挙げろと言われると、最初には名前が出てこなくなります。でも良いのは確かですよ。以上で挙げた中で僕の一番のお気に入りは有名なグランドキャニオンではなくて、風景をじっくり体験して楽しめるアンテロープキャニオンです。

思い出深いのはソルトレイクシティで催された国際会議の後、仲間たちとフリーウェイを飛ばして観に行ったイエローストーン国立公園でしょうか。公園自体もとても良かったけれど、ソルトレイクシティからウエストイエローストーンまで、僕が運転したのが印象に残っています。ヨセミテやセコイア国立公園なんかもロスでヒマになった時に行きました。どっちも風景はとても素晴らしいけれど、どっちも十分に観光客が多いんですよね。

ロスアンジェルスでの一番思い出深い風景は、商談があってどうしてもサンフランシスコに行かなければならなかったのに、名物の霧で飛行機が飛ばなくなってしまったため、やむおえずレンタカーを借りてワンオーワンを猛速度で飛ばして運転して行った時に見た、道路の左右の荒涼たる風景です。これがアメリカなんだなって思いました。

真っ直ぐの国道をでっかいトラックを含めてみんな猛速度でビュンビュン飛ばしていて、道の左右には見渡す限り、なーーーーんにもない。時折忘れたようなところにポツンとお店があって、ガソリンを入れに入ると「ジャップが何をしに来た」と警戒感を隠そうともしないお店のオヤジがいつでも拳銃を出せるようにして、のそのそ出てくるんです。あの時はもし車が故障したら遭難するかもしれないというスリルもあって、なかなかの気分でした。ロスアンジェルスとサンフランシスコの間はだいたい東京と広島の距離なので、米国の風景を満喫したかったら、ぜひチャレンジしてください。オススメです。命の保証はまったくできませんが🤣。

このほかフロリダ在住の友人の大きなクルーザーで数日海の上で暮らして釣りをした時に眺めた景色や、ニューヨークに行った時に友人に招待されてイーストハンプトンの馬鹿みたいにでかい別荘でしばらく滞在した時の街の風景、そして美術館や博物館、名建築、掘り出し物を訪ねていろんな田舎街まで行った時に見た風景。僕の米国での思い出が深い風景はむしろこうしたことになります。大自然の風景であれば、僕は米国本土よりアラスカやカナダで「好きな風景」を見つけました。