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投資法・投資哲学

IBMを買うきっかけは何かあったのですか?

質問

2024年02月25日 回答

りおぽんさんが買いを入れた、IBMの過去の5年です。右肩上がりでないです。買った直後から上昇してますよね。
買うきっかけはあったのですか?

回答

「右肩上がりではない」とはまた素朴な分析ですね。へぇ、わりと底の方で仕込めたとは思っていたんですが、そんなにタイミングが良かったんですか。僕は短期の値動きに注目していなかったし、事情があってその後の値動きに気が付いていませんでした。ポジった時は逆指値に引っ掛からなくて良かったぐらいの感覚でした。僕のやり方にとってこの「逆指値に引っかかること」が一番の課題なので。

僕が昨年5月にIBMを買った理由は以下の通りです。

①AI分野での出遅れ銘柄だったので、いずれAI関連ということで注目されるんじゃないかと考えたこと。GW中にちょうど「IBM Watson」や「True North」に関するレポートを読んだので可能性を感じました。「TrueNorth」から、その後、秋に発表されることになる「Northpole」も研究開発されている可能性があると予測しています。

②AWSやAzure絡みのコンサルビジネスが好調だという評判を聞いたこと。これで当面の業績が好調に推移しているはずで、もしかすると四半期決算でコンセンサスを上回ったり、通期のガイダンスを引き上げて来る可能性があるという分析結果になっています。

③いろんなデータをぶち込んで割り出した理論株価から見て、当時の株価がハイテク系としては割安で放置されていると判断したこと。①と②があれば、当時の120ドルという株価なら、いずれ株価水準が上方向で訂正されることが必至だと見ました。

こうした一連の研究と分析をGW期間中にやったので、このタイミングで買ったのは「GW明けだから」というのが大きいです。

当時は2023年秋以降の相場のやや大きめの調整を予想しており、手持ちのたくさんのハイグロを順次利確して、いくつかの業績が安定していて、もう株価が十分に安くて底堅い銘柄に組み替える作業をやっていましたが、IBM株の購入はその作業の一環になります。この時期に似たような理由で買った銘柄がCRWDです。

CRWDの場合はやや反転しているチャートだったと思いますが、2021年の高値を見ているので、まだ安いと判断したと記憶しています。この他、AVGOを大きく買い増しています。これが昨年5月の動きで、以降8月頭までにCELHを除くハイグロをすべて利確してキャッシュポジションを積み増して、見込んでいた秋の調整に備えています。

IBMやCRWDを購入した時、検討の俎上に上ったのが、QCOM、BX、BLK、SHW、RCLなどで、これはこの時には買っていませんが、秋以降に順次買っています。もちろんまだ買っていない、というかもはや買い損ねた銘柄もけっこうあります。これはこの相場なので仕方ありません。この時に買わなかった最大の理由は、僕が5月16日に意識不明になって緊急入院したからです。それから6月上旬まで意識不明で生死の境を彷徨っていたので、投資どころではありませんでした。もし元気だったら、もう少し仕込んでいたと思います。脳の症状が治まり、心臓の手術が成功して退院する7月中旬まで、利確はしましたが、新たな株を購入することは、自分の脳の判断に自信が持てなかったので控えました。僕がIBM株を買った後の値動きがわかっていないのは、この頃には「意識がなかったから」です。

なお、いつも回答していますが、僕はファンダメンタル系の分析結果をテクニカルより優先するので、テクニカル分析では買っていません。みんながみんなチャートを見て買うわけではありません。右肩上がりだから買って儲かるなら、みんな儲かっています。下落している株は永遠に上がらないことになります。チャートはみんながひっくり返したりして分析しているので、僕にアドバンテージがありません。

理論株価とそこから設定した目標株価の関係で、「120ドル以下で買いたい」と判断していたんですが、待ち切れなかったので、若干それより高くつかんでいます。本当は1回ぐらい逆指値に引っかかるかもしれないと懸念していましたが、幸いそうはなりませんでした。

僕のやり方だと、時折、ジャストの底値で仕込めることがたまたまあるんですが、もしかするとIBMもそうだったのかもしれません。IBMはハイテク株としては配当が良いことも含めて、娘に相続させるぐらいの長期投資を考えていたので、合計3万株という保有数で安定したポジを構築することを優先しました。だから短期の値動きにはあまり注目していませんでした。

なお現在、同様の狙いでINTCなどいくつかの銘柄をウォッチしています。まだどうするのかは決めていませんが、大昔MSFTがリストラなんかをやっていて、MSFTももう終わりだと言われていた時に、その再生を見込んで大量に購入したのと似た感覚です。サティア・ナディラならやってくれると思ったように、パット・ゲルジンガーならやってくれるんじゃないかと。勝てるかどうかはわかりませんが、INTCの現在の株価ならそう負けはなさそうな気がしています。これはチャートで見てどうでしょう?僕はハイテク系や半導体系では、わりと経営層や開発者の存在を重視します。たぶんチャートよりそっちをより見ていると思います。

ほんと正直言って僕はチャートをあまり重視していません。チャートを見ていたら、2022年12月28日に、NVDAを140ドルちょっとで合計1万株以上なんて買えていないと思います。ぜひこれも追跡して分析してみてください。僕はこの時あまりチャートを分析していませんが、たぶんチャートでは買いにくいんじゃないかな。僕が信じたのは、NVDAの事業を分析して立てた将来見通しから割り出した目標株価と、この時の株価との「乖離」です。140ドルちょっとなら儲かる未来しか見えませんでした。

後はIT株や半導体株がハイグロを中心に散々だった2022年も、そろそろ底を打っただろうという「相場観」を頼りに、この日にはSHOPなどIT株をいくつか仕込んでいます。たぶんチャートではこの判断をするのはなかなか難しいと思います。

僕のやり方は一生懸命に会社の事業や市場を分析して、それをもとに今後の業績を予測、現在の理論株価と今後の目標株価を割り出して、現在の株価と比べて投資するに値するほど魅力的だったらインするというものです。僕がいろんな業界に投資せず、IT業界と半導体業界にこだわっているのは、このセクターであればかなりその予測精度が高いからです。テクニカル分析派のような汎用性はないので、どうしても得意セクターに注力することになります。僕が投資で成功したのは、運良くIT業界や半導体業界自体が大きく成長して、株価も高騰したからにほかなりません。

それでも昔に比べれば、ずいぶんと芸域が広がっているんですけどね😅。昔はPFがほとんどIT株や半導体株ということもありましたから。昨年秋も半導体株を全ツッパすることも検討したんですが、あえて踏みとどまっています。短期的にはその方が儲かるという分析結果だったんですが、当時の僕の健康状況から「いつ娘に相続しても大丈夫なPFの構築」がそれより優先事項になりました。腎臓癌の摘出手術などの合間の投資でしたから、この判断も仕方がありません。

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