アメリカでジャズがそこまで盛んでないのは意外でした。本場ニューオーリンズだとどうなんでしょうか？

ニューオリンズはジャズ発祥の聖地ですし、例年「ニューオリンズ・ジャズ・フェスティバル」には世界各地から何十万人という人が集まってきます。ただなんというか、観光として古典的なニューオリンズジャズを演奏するお店はあります。ニューオリンズは音楽の街ですから、ブルーズやゴスペルも盛んです。

ですがジャズはニューオリンズジャズからモダンジャズなどいろいろ発展していったわけです。しかしモダンジャズ以降のジャズ演奏家は米国だけでは食ってはいけないんです。米国にはさまざまな音楽があって、ジャズはほんのその一つです。カントリーやリズム&ブルーズ、そしてロックやポップスの方が、一般的な米国民にははるかに馴染みが深いです。ジャズの人気がないとは言いませんが、ジャズを聴く米国民は一握りです。これが特にニューヨークに多いです。エリアによれば、ジャズ、何それ？でしょう。

ですから米国のジャズミュージシャンはジャズの盛んなフランスやドイツ、英国や北欧、そして日本、南アフリカ、ブラジルといった国にツアーを組んで生計を立てています。最近のジャズのCDを買えば、録音が欧州で行われているものがかなり多いと思います。

以前アート・ペッパーが復活した時、日本の聴衆が大歓迎で彼を迎えて、アート・ペッパーが自叙伝にそれを記していると回答しましたが、つまりアート・ペッパーの復活を一番喜んだのが日本のジャズファンだったわけです。