ジュリアナ東京には行かれましたか？

行ってはいるけど、そんなには行っていない。「ジュリアナ東京」って、先行する「芝浦ゴールド」みたいなウォーターフロントの大型ディスコを、のちに「グッドウィル」の経営者になる折口雅博が、日商岩井の若手社員だった当時、それらを模倣して仕掛けたディスコだったからね。

先行する「ゴールド」なんかにはもう行っていたし、その頃にはウォーターフロントでももうちょっと静かで感じの良いお店で遊ぶ方が好きだった。だから、女の子が行きたいと言うから、連れて行ってあげたぐらい。

ただ「ジュリアナ東京」には笑える思い出がある。当時の僕は某新聞社の経済部で記者をやっていた。担当は大蔵省。である日、そのときのデスクが言ったんだよ。「我々も経済現象を記事にしているんだから、最新トレンドは身をもって経験しておかないと。でもうちのメンバーで詳しそうなのはりおぽん、お前1人だけだなぁ。りおぽんお前がぜんぶ企画しろ。金は1人1回20万円までだ」。

こうして月イチの新聞記者たちの「社会科見学会」が始まった。デスクやキャップなど8人ぐらいのイケていないおっさんたちを引率して、話題のレストランだとか話題のお店や商業施設、テーマパークなんぞに連れて行った。その社会科見学会で連れて行ったお店の一つが「ジュリアナ東京」だった。

キャップが「いやいや派手なもんだな」って感心した声で言ったので、僕は心の中で「いやいやドブネズミ色のヨレヨレのスーツを着ているあなたがここでは一番目立っているんですよ」と思った覚えがある🤣。誰も踊れなかったので、手取り足取りだった。さすがにナンパの仕方は指導しなかったけれど、伝手を使って舞台裏も見せてもらった。

このデスクは面白い人で、「りおぽん、若い記者たちにオーセンティックなバーでの飲み方を教えてあげてくれ」なんて言われて会社で予算を取ってくれたので、僕が2人ぐらいずつ引率して、港区や銀座のバーに連れて行ったりもした。

その代わり、僕が副業でやっていた「ブルータス」「アンアン」みたいなマガジンハウス系の雑誌や「日経トレンディ」なんかへの寄稿は、「業務の一環」としてお目こぼしにしてくれた。