もしも親が貧困の家庭で生まれ育ったとしたら、今と同じような成功を収めたと思いますか？

僕にとって、両親が裕福か貧困かはほとんど関係ない。親からはほとんどお金を出してもらった記憶がないし、父親を嫌っていたから、小学5-6年はしばしば文京区にある母方の祖父母の家に逃げ出して、そこから千葉の小学校に通っていたぐらい。

だから僕の形成に大きな影響を与えたのは、まず母方の祖父母。とても裕福な実家で、祖母は僕のさまざまな習いごとにお金を惜しまず出してくれた。四谷大塚の試験を受けに行くお金も、チェロを習ったり、楽器を買うお金を出してくれたのも、乗馬にテニス、ゴルフに英会話、本代に衣服代、そして大学の受験料まで出してくれた。その間、父親には10万円も出してもらっていない。

一方、僕の趣味嗜好には数寄者だった祖父の影響が色濃い。僕の食べ物の食べ方は祖父の猿真似の部分が多いし、「粋な遊び方」というのも祖父を見習っている。

僕のファッション趣味から女の子のエスコート術まで、ぜんぶ僕に仕込んだのは、5歳年上の姉貴代わりの従姉妹。この従姉妹は父方なんだけれど、伯父さんの教育方針で、中学校から東京の私立の女子校に通うため、母方の祖父母の家に下宿していた。だから僕が小学校の時、実家に行くと、僕の部屋が離れに決まるまで、従姉妹と一緒の部屋だったり、隣部屋だったりした。だからほんといろんなことを教えてもらった。

僕が中学に入るまでは、お風呂も従姉妹と一緒だったけれど、これはふつうの姉弟でもちょっとないと思う。その代わり、僕は生涯、使い走りのアッシー君だったけれどね。僕は高校時代、大学に入って伯父が投資用に買っていた世田谷の3LDKのマンションで1人暮らしを始めていた従姉妹の部屋に転がり込む。遊びたい盛りの2人だったから、もう遊ぶだけ遊んだ。

午前1時過ぎに部屋で勉強していたら、「今からタクシーに乗って青山まで来て」なんていうのはしょっちゅうだった。思えばよくこれで大学に合格できたよね😅。昼間、「今からキチンとした服を着てきてちょうだい」と呼び出されて、広尾までタクシーで行くと、従姉妹の同級生の女子大生たちがお茶を飲んでいて、そこで品評会にされることも何度かあった。

彼女が最後まで許してくれなくて、悶々としていた僕の話を聞いて、彼氏と喧嘩中だった同級生の女子大生を紹介してくれたのも、従姉妹。おかげで僕は高1で見事初体験を果たすんだけれど、これはめちゃくちゃ恩に着せられた😅。まあこの女子大生はくだんの品評会で悪くないとは思っていたらしいけれど。

そして従姉妹の両親である伯父や伯母の影響も大きい。伯父はその地方の長者番付のベスト5には入るような人だったから、僕の人生の要所要所で、大きなお金を貸してくれた。大学以降の学費はぜんぶ自分で出したけれど、いざとなったら伯父が頼れるという安心感は大きかった。

僕は28歳で初めて買うマンションで億ションなんて身分不相応なものを買ってしまうんだけれど、この時、当時としてはありえない低利で、1億円近く黙って融通してくれたのも、伯父だった。このマンションを振り出しに資産を構築しているから、この時借りれなかったらどうなっているのかわからない。もちろん家を買うにあたって、両親からは1円も出してもらってはいない。

伯母は薬屋さんの招待なんかで海外旅行に行くと、いつもいろんな良い物を僕にお土産に買って来てくれた。これはもう100万円を超えるレベル。そして珍しい海外の土産話をしてくれた。僕が海外旅行好きになったのは、この伯母の影響が大きい。語学を一生懸命に習え、そうすれば世界が広がるから、と言ってくれたのも、この伯母。

そして以前も回答したけれど、伯母は茶道家であると同時に茶道具のコレクターだった。小学生だった僕に、裏千家を教え、骨董商が来ると、お道具の目利きをまずやらせた。僕の茶道趣味も美術品コレクション癖も、この伯母なしではありえなかった。相続税評価で10億円近かった伯母のコレクションを遺贈されたことが、今の僕の美術品コレクションの礎になっている。

以上のような話は、一般家庭に育った場合、そうそうない話だと思う。こういう話がぜんぶあって、今の僕になっているのは確かだから、どれがひとつ欠けていても、今の僕にはならない。

ただその「成功」が、資産構築程度の話であれば、30代以降、ほぼ独学でやっているから、同程度の資産ぐらいなら、作れていたとは思う。以上の話はお金には変えられない、育成に時間がものすごくかかる話だからね。もちろん親から相続は1円ももらっていない。母を引き取っただけだよ。