頭の悪い人の投資の最適解があれば教えてほしいです。

まず僕は「頭が悪い人」や「自分で考えない人」を嫌いではありません。特に自分のことを「頭が悪い」と正確に自己分析できる方は、もともと「頭が悪い」とすら思いません。ただ投資において「自分の頭で考えない人」は損をしたり、誰かに騙されたりするケースが多いので、たびたび「自分の頭で考えろよ」と言うだけです。

僕が嫌いなのは、「他人に対して無神経な人」「自分さえ良ければ良いと思っている人」「独善的な人」「他人に干渉しすぎる人や自分の考えを押し付ける人」つまり「パターナルな人」です。こういう人とは、僕は常に全力で戦って、その思い上がりを徹底的に木っ端微塵に潰してきました。

NASDAQ指数連動のETFが40年後も右肩上がりで上昇している保証はぜんぜんありません。過去はそうなってきた、特にここ30年ほどはその傾向が特に強かったというだけです。しかしどんな投資であっても、損したり、予定通りには儲けられなかったりするリスクは付きまといます。

昨今、日本株をバカにする新米投資家が多いですが、日本の高度成長期、特に1970年代から80年代にかけて、エズラ・ボーゲルが「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を著して米国民に警告を発した頃であれば、そういう方たちは「米国はオワコン」なんて言って、疑わずに日本株に投資していたことでしょう。そして1989年から35年間、日経平均は高値を更新出来ませんでした。

米国、そしてNASDAQ指数は、軍事大国という外部環境や、米国のベンチャースピリットを支える文化から見て、日本のようになるリスクは比較的低いと思います。しかし40年先には、中国がGDPで米国を抜いて、インドも米国を抜いている可能性も十分あります。そうなれば米国自体の経済が、世界第3位に滑り落ちています。世界第3位といえば現在はドイツ、少し前までは日本のポジションでした。その時に米国経済が世界からどう評価されているのかは、誰にもわかりません。

かつて世界の覇権国家であったのは大英帝国です。基軸通貨はポンドでした。しかし2度の世界大戦を経て、ポンドが基軸通貨から滑り落ちた英国に、昔日の面影はありません。ポルトガルとスペインが世界の覇権を争った時代もありましたが、それは遠い昔話です。ですからNASDAQに賭けることが正解である保証はまったくありません。

しかし、それでも自分で何も調べず、何も考察することなく、他人の言うことやましてやツイッターのつぶやきなんていうミソもクソも混じっているものを見て、右往左往しながら個別株投資をしている人よりは、株式投資がうまく行く確率がはるかに高いと思います。

個別株投資をしている人間は、インデックス投資をバカにしていると思われ勝ちですが、僕はまったくバカにしてはいません。仕事が忙しくて株式投資に割ける時間がなかったり、自分で分析する自信がなかったりする人が、指数並みの成長を取りに行くインデックス投資を選択するのは、むしろ賢いとさえ思っています。

ただインデックス投資では、「大儲け」は期待できませんから、入金力を上げる、つまり本業でしっかり稼ぎを増やすことが肝にはなるとは思います。

インデックス投資では、リーマンショックレベルの暴落であれば、笑って目をつぶってやり過ごすことも重要です。株クラは目先のちょっとした調整でも「米国株終了」なんてアホを言って右往左往するので儲けられません。指数インデックスであれば、「また良い日もあるさ」ぐらいに考えて、手持ちのETFを握り締めましょう。それこそ買い増しするチャンスかもしれません。

ただ40年先には米ドルが基軸通貨から滑り落ちるような変化の起こりえます。通常の大暴落とは違う根本的な変化が起きた時だけ、勝ち馬に乗り換えるかどうか、検討される勇気を持ってください。