麻雀や将棋、囲碁などアマチュアだけどこいつプロでも一線でやれるんじゃないか！みたいな人っているものなんですか？

「プロになれる」レベルの人はけっこういます。僕も麻雀は今でもプロと打っているし、将棋もプロを目指せばなれたかも、と思うことはあります。ただ将棋の場合、なれそうな人でも、奨励会、特に三段リーグという厳しい壁を突破しなければならないので、才能だけではない部分もありますが。

ただそこから「第一線でやれるかどうか」は別の話です。麻雀プロというのもいろいろで、点数計算をやっと覚えたレベルのアイドルプロもいますし、コイツちょっとおかし〜んじゃねぇと呆れるような、天才的な打ち筋のプロもいます。僕は麻雀プロを相手に大幅に勝ち越してはいますが、コイツと戦い続けるのはかなわんと思ったプロも少なくありません。

将棋の場合、一線級で活躍するには、多くの場合、小学生の頃からアマとして、頭角を表す必要があります。僕は小学生の時、とあるプロの六段の先生が開いていた将棋教室に通っていて、先生から筋が良いので、頑張って練習して奨励会を受けることを目指すかどうか打診されたことがあります。でも僕はそこまでのものではなかったし、趣味ならともかく将棋漬けでプロになるまで10年ぐらい過ごすのはイヤだと思ってお断りしました。その時点で僕はアマ二段でしたが、それではレベルが低すぎました。

一線級で活躍するには、小学生名人大会の全国大会でベスト4ぐらいには進出して、全国的にその名を知られるぐらいの棋力がある必要があります。ただ藤井聡太さんとそうやって戦って、いい戦いをやったアマ強豪の青年が1人います。彼が奨励会に入る決心をしていれば、もしかするともしかしたかもしれません。

ただ奨励会は天才児たちの足のひっぱり合いです。藤井聡太さんのような神に愛されているとしか思えない抜け方をしている人もいれば、才能はあって精進もしているのに、三段リーグで強いライバルばかりと当たるくじ運の悪い人や、たびたび上位になるけれど、2位以内にはなれないで消耗していく人もいます。

藤井聡太さんや羽生善治さんは、この奨励会にあって、明らかに才能が一歩も二歩も頭抜けた存在でした。僕ら将棋ファンの間で、このお二人が「将来のA級八段は確実の逸材。もしかすると名人になれる」と話題になったのは、お二人が小学生の時でした。「赤い広島カープの帽子を被っている男の子」という通称で、羽生善治さんは年上のアマ強豪たちに恐れられていました。