QCOMはINTELの二の舞になると仰っていたと思いますが、ポジティブに捉えられたきっかけは何でしょうか？

質問

2024年08月13日　回答

以前QCOMはINTELの二の舞になる(記憶が曖昧ですがとにかくマイナスイメージの表現)と仰っていたと思いますが、ポジティブに捉えられたきっかけは何でしょうか？

回答

それはあなたの記憶違いですね。Qualcomm の現在のスマホ向けチップは、これだけ世界にスマホが行き渡った今、成長性に乏しいと回答したことはあります。スマホの今後の伸び代は開発途上国ですが、そこに投入される格安スマホでは、お高いQualcommのチップはあんまり使われません。

しかしQualcommには「Snapdragon 8」という戦略商品があるとそれより前に回答しています。回答した時点ではSnapdragon 8 Gen3でしたが、スマホで生成AIがサクサク動くことを目指すという優れものです。3年前にCEOに就任したクリスティアーノ・アモンが最も力を入れている製品で、昨年の「Snapdragonサミット」でも、今年のCESでも得々とプレゼンしていました。AIでひょっとするとNvidiaの刺客になるのはQualcommかもしれません。今年6月には「Snapdragon X Elite」も投入されました。

またQualcommは車載向けSoCにも力を入れていて、僕の見るところ、この分野のリーダー格です。これは今後デッカい市場になり得ます。すでにBMWやGM、ルノー、ソニーホンダモビリティなどへの供給がアナウンスされています。

Qualcommは低価格の5G用チップを開発しながら、こうやって次の成長の芽を着々と準備していると僕は認識しています。まだ新規事業の業績貢献は小さいので、感度が鈍い投資家にとってはQualcommはいまだスマホ向け5Gチップの会社ですが、僕は5Gチップ以外を評価しています。

「拡大するスマホ市場でQualcommはシェアを拡大」という、僕からすると10年ぐらい前のセンスでの質問でしたので、今後のスマホ市場の見通しを引っ張ってきて、「それはないんじゃない」とお答えしました。

みどころを間違えているから指摘したのであって、QualcommについてはAIと自動運転で化けるかもしれない。Nvidiaに代わる株式市場の寵児になるポテンシャルを秘めているとずっと考えています。まだこれからの事業なので、本当にどうなるのかは、まったく分かりませんが、クリスティアーノ・アモンがやっていることは面白いです。それを支える良いエンジニアも揃っています。AppleとNvidiaが真に警戒しているのは、Qualcommだと僕は見ています。

この見方はずっと変わっていません。