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スマホが登場する前は様々なPDAが登場しては消えていきましたが、気に入ってた機種はありますか?

質問

スマホが登場する前は様々なPDAが登場しては消えていきましたが、気に入ってた機種はありますか?ちなみに私はPalm Pilotが好きでした。

回答

あんまり書くと僕が誰だか身バレするんですが、大昔、Hewlett Packardに「HP95LX」というPDAのような高機能電卓のようなものがありました。当時の日本HPはそんなものを日本で売る気がなかったので、日本語化をしなかったんですが、日本HP社員のハンドルネーム「かずひさん」が、本業とはまったく関係ないのに、自力で日本語表示できるようにディスプレイドライバを開発されたんです。1991年のことだったと記憶しています。日本におけるPDAのまさに黎明期ですね。

ちなみにこのかずひさんはその後、シリコンバレーの会社に転職されたので、僕がシリコンバレーに仕事で行くと、鮨を喰いに行ったものです。シリコンバレーでも日本のオタクの底力を見せつけているようで、地元の有名なパソコンクラブに所属して、Maker Faire なんかも連続して受賞されているようです。日本では収まりきらなかったお1人です。

当時、僕は新聞記者でしたが、家で原稿を書いていて退屈すると、ニフティサーブのIBMPCフォーラムやHPPCフォーラムでたむろしていたので、ハンドルネームではそれなりに名が売れた存在でした。それでかずひさんがドライバを開発されたのを知って、「おいおいこれは面白いことになったじゃないか」と思ったわけです。おんなじことを思った人は多かったらしく、NORIさんという方が、そのドライバ上で表示する「惠梨沙フォント」というのを作られました。こりゃあ大変なことになった、という話になって、みんなで集まってオフ会であれこれ企んだんです。

ちなみにこの「恵梨沙」はNORIさんのお嬢さんのお名前です。のどかな時代でしたね。もちろんもう恵梨沙さんも今や大人になっていて、お写真を拝見すると、フォント以上にお綺麗なお嬢さんになっていました。「Palm Pilot」をお気に入りだったということですが、だとするとあの日本語表示でも「恵梨沙フォント」のお世話になったかもしれませんね。あれはニフティサーブの某フォーラムで呼びかけが行われて、30人ぐらいがそのプロジェクトに参加して作成したものです。

僕はクソ忙しい中で、ニフティのとあるフォーラムのサブシスなんてやらされていたんですね。我ながらアホなほどの付き合いの良さです。ニフティからはシスオペをやってくれないかと言われたんですが、これは引き受けたら死ぬんじゃないかと思って逃げ切りました。その代わり、CompuServeを遊び倒す記事なんかは書いてあげましたが。

この時期、「HP95LX」に集まっていたオタク連中が、その後の日本における怪しいPDAの歴史を引っ張ることになります。例えば日本IBMの社員だったゼロハリさんたちが、日本HP社員だったかずひさんたちと会社の垣根を超えて交流していました。このゼロハリさんたちが企画開発したのが、「IBM Palm Top PC110」、通称「ウルトラマンPC」なんかです。当時、ゼロハリさんはThinkPadのマーケティング責任者だったので、新製品情報を早めに流してもらうといったお付き合いがありました。その代わり、「りおぽんさん、わかっているやろな、ぐひひ」と関西弁でその記事を書けと迫る、とんでもないオッさんでした。

このゼロハリさんはそれがお仕事でしたから、たくさんのPDAを買い集めていました。今はなき六本木事業所に遊びに行って、これを触らせてもらうのも楽しみの一つでした。「りおぽんさん、これどうや」という声が聞こえて来そうです。そんな中には「Palm Pilot」もあったし、「Nokia Communicator 9000」という今のスマホの原型みたいなPDAもありました。わけがわからない中華製のPDAもいっぱい持っていました。

ちなみにこのゼロハリさんは、Apple Watch なんて影も形もなかった1998年ぐらいに、Linux OSで腕時計型のPDAを中央林間の研究所に無理矢理試作させた、とんでもないオッさんでした。そもそもAT互換機の日本普及で決定的な役割を果たした「DOS/V」というOSをマーケティングサイドで支えた中心人物でした。彼が作るものはThinkPadも大評判になる割には売れなかったんですが、とにかく面白いことを思いつく方でした。「会社を使って遊び倒している」、そんな印象を受けたものです。このゼロハリさんはPC事業がレノボに売却されたあと、日本IBMを退職されて、某国立大学の教授に転身されたと伺っています。見事、日本IBMを自分の好きなように使い切りましたね。

その意味ではかずひさんもそうで、HP100LXの日本語化記事を書いた本で手にした印税を米国語学留学資金に充てて、米国への転職活動をしたと聞いています。頭がおかしいやつばかりだった当時の業界で、少しマトモだったのは、ジャストシステムの浮川初子さんとかごく一部で、初子さんには「りおぽんさんはせっかくまともな仕事しているんだから、付き合う人を考えた方がいいわよ」と忠告されたものです。でも時すでに遅しでした。

このかずひさんやゼロハリさんとの繋がりを通じて、自ら「Palmのエバンジェリスト」を名乗っていた「Palmの神さま」山田達司さんなんかとも繋がりができました。日本のPDA黎明期は、どこに行ってもおんなじ顔ぶれだと思ったものです。ものごとはよく秋葉原駅ビル2階にあった喫茶店「古炉奈」の個室で行われる作戦会議で決まっていました。各社を横断する面白いプロジェクトに入れてもらうには、この作戦会議に誘われることが必須だったんです。

話をHPに戻すと、「HP95LX」の後継機として「HP100LX」というのがリリースされて、一部オタク連中の間でヒットしたんですね。でも当時の「HP100LX」は純正のままでは日本語を表示するのにちょっと非力だったんです。それでこれを分解して設定をいじってクロックアップするといういけない遊びが流行ったんです。もちろんこの改造は自己責任で、オシャカにしても誰も保証してくれません。

アホな廃人たちが都内某所で百人近く集まって、みんなでクロックアップオフ大会をすることになったんですが、それをするための「マニュアル」が必要になりました。そこでAT互換機が日本ではまだまだ売れていなかった頃から、台湾に部品を買い付けに行ってそれを自作するというガイド本なんかを暇つぶしに書いていた僕に、とあるパソコン雑誌で、そのマニュアルになる記事を書けという命令が下ったんです。誰の命令だったかよく覚えていませんが、あれはジャストシステムの東京事務所の責任者をされたアストロビスタさんだった気がしますね。

まだパソコン通信をするためのモデムなんかがなかった頃、一太郎で儲かっていた頃の浮川和宣さんをそそのかして、ハードなんかやっていなかったジャストシステムに音響カプラーを作らせたという武勇伝がある方です。あの人はオシが強かったですからね。ただぜんぜん売れなかった音響カプラーの山に埋もれていましたが。よくクビになりませんでしたね。

ちなみにアストロビスタさんたちがやっていた東京の草の根BBSと当時関西にいたゼロハリさんたちがやっていた「帝塚山マイコンクラブ」がお互いを接続して通信し合ったのは、日本のネット史に残る出来事です。この中にはWindows3.xの日本語化キット「Win/V」で有名な西川和久さんなんかがいらっしゃいました。優秀なフリープログラマーだった西川さんは、日本IBMの女性社員に一目惚れして、それを追いかけて関西まで行っていたんですね。みんな若かったです🤣。なお西川さんは見事、この女性社員とご結婚されています。

まあ、誰でもいいですが、付き合いの良さが僕の売りなので、縁もゆかりもなかったそのパソコン雑誌に、クロックアップのための解説記事を書きました。その後、オタク連中の間で「クロックアップ」なるものが流行るんですが、その嚆矢と言えます。

当時、「HP100LX」を新宿紀伊國屋アドホック店の植木正道さんから買い、それを分解してクロックアップして、雑誌のオマケで付いてきた丸廃マークのシールを貼るというのが、真のオタクの証明みたいな時期があったんですが、僕はまさにそのど真ん中にいたわけです。聞いた話では、この丸廃シールは、当時の日本IBMが社内廃棄物に貼るシールだったんだそうです。これをゼロハリさんが面白がってコピーして、シールにして雑誌のオマケだかプレゼントだかで「HP100LX」をクロックアップした証として配布したそうです。ほんととんでもないオッさんでした。

僕はもちろんゼロハリさんから、「りおぽんさんには特別にあげるで」と言われていただいたんですが、そのあと恒例の「わかっているやろな、ぐひひ」が続いたので、シール1枚がとても高く付きました😅。

実はこれには余談があります。とあるパソコン雑誌で「HP100LX」をいろいろ弄って遊び倒すという特集が1冊丸ごと組まれたことがあるんです。もちろん僕もいつのまにか執筆者の1人ということが決まっていました。本業でクソ忙しい中で、「僕はなんでこんなことをやっているんだろう」と思いながら、「HP100LX」を分解して、設定をいじり倒して原稿を書いた記憶があります。

後年、僕が取材でHewlett-Packardのパロアルトにある研究所に行ったら、なんとこの雑誌が飾られていたんです。案内してくれた方は「おい見てくれよ、日本のオタクにはアタマがおかしいやつがいっぱいいるんだ。俺たちでもさすがに考えつかないことをやっているんだぜ」とその雑誌を見せて笑いました。僕がその1人だとは、とうてい言えませんでした。でも、なんか誇らしかったです。日本のオタクたちが、シリコンバレーのオタクたちに認められたんですから。

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