大統領選のディベート見られました？

バイデンさんは明らかに言葉に詰まっていたし、米国民が米大統領に求める大きな資質「力強さ」にも欠けていました。

この討論会に関する世論調査が早速行われていて、「トランプ氏が優勢だった」と評価する人がかなり多かったです。またこの討論会で「投票する人を変えた」という人が各調査で5%前後いるんですが、これはどう考えても「バイデン→トランプ」です。2大政党が立候補者を立てる米大統領において5%前後票が移動するのは非常に大きいです。

まだ両者のテレビ討論会は始まったばかりですが、「バイデン氏が国を率いる能力」について疑念を持つ人は調査のたびに増えているので、このペースで討論会をやれば、大差でトランプ氏が大統領に選ばれる可能性も出てきました。まあ史上最悪の大統領選だと僕は思うんですが。

米民主党でも、これではまずいと思ったのか、党内からバイデン氏は立候補を取り下げるべきだという声が出ており、カマラ・ハリス副大統領など、バイデンさんの周囲は火消しに追われているようです。

しかしバイデンさんが立候補を取り下げた場合、代わりに立てる大統領候補がいないという、大統領選が始まって以来の問題が燻っているんですよね。即戦力であるべきはずのカマラ・ハリスさんはバイデンさんより不人気なんじゃないでしょうか。

実は日本のメディアではあまり報じられてきませんでしたが、民主党の大統領候補を選ぶ予備選挙で「Uncommitted」(支持なし)に票を投じる人がかなりいたことが話題になっていました。やり方は予備選挙だったり党員集会だったりしますし、「Uncommitted」という選択肢がいつも設けられているわけではないんですが、ある場合、10%前後がこれに投じていました。

積極的に支持相手を表明するのが国民性の米国において、これは比較的珍しい現象です。民主党の候補者選びは事実上、バイデンさんの対立候補たり得る人がいない状態でしたから、これは「候補者をバイデンさんから変えてくれ」という民主党支持者の悲鳴だったと僕は理解しています。テレビ討論会後、ツイッターでは「#swapJoeout(バイデンを変えろ)」というハッシュタグを付けたポストも見かけました。

米大統領選は当初、バイデンさんがかなり優勢と見られていましたが、僕は現時点ではすでにトランプさんが逆転していると思います。バイデンさんに有効な巻き返し策はないので、立候補を取り下げる可能性も十分出てきたと考えています。しかし相変わらず代替候補がいないという問題にぶち当たります。

万が一、バイデンさんが立候補を取り下げた場合、代替候補に名乗りを上げるのは、現在はバイデン陣営で活動しているギャビン・ニューサムカリフォルニア州知事(56)あたりになるんじゃないでしょうか。女性スキャンダルなど、いろいろ人物ですが、これならトランプさんに対して民主党支持者がまとまりやすく、「若さ」を武器にできます。かねてより大統領にへの野心があると噂されてきました。