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オススメのカラトリーを教えてください!

質問

オススメのカラトリーを教えてください!
買い替えようと思っているのですが、せっかくならいいものを揃えようかと…

回答

うーん😅、ご予算言ってくれないと、「良いもの」がどれぐらいのものを考えているかわからないじゃない🤣。

まず我が家。ふだん使いにしているのが、「クリストフル」というフランスの銀食器メーカーの「ジャルダンエデン」というシリーズと、一部にピンクゴールドを使った「ジャルダンエデン・パーシャリーピンクゴールド」というシリーズ。確か前者はナイフやフォークが1本2万円程度、後者は5-6万円程度だったと記憶している。

カトラリーはインテリアや他の食器に合わせた方が良いと思う。我が家のインテリアの基本コンセプトは「アールヌーボー」だから、パーティーなんかで使うのは、「ジョージジェンセン」の「ブロッサム」というシリーズ。北欧デザインで有名な「ジョージジェンセン」だけど、創業者はアールヌーボー期に活躍した齦細工職人。その技術を受け継ぐために、このシリーズだけアールヌーボー期のデザインのまま。ただこれはかなりお高いし、そもそも日本のジョージジェンセンではもう扱っていないはず。

もう一つ、「ピュイフォルカ」というフランスの銀食器メーカーの「ロワイヤル」というアンティークのシリーズもサブで揃えてある。これは日本のアンティークのテーブルウェア専門店で買えば1本8万円前後になるはず。僕は「ジョージジェンセン」も「ピュイフォルカ」も欧州で揃えたから正確なところがわからない。

こうした本格的な純銀の銀食器は美しいし、資産価値も高いんだけど、メンテナンスにとても手間がかかるからオススメできない。我が家の場合、お手伝いさんの1人がメンテナンスを担当しているぐらい。それにお高いものだから、盗難にも気を付けなければならない。なんしろ宮中での晩餐会に出席した蜂須賀侯爵が、出された銀食器の美しさを見て1本拝借していこうとしたところを明治天皇が見つけて、「(野盗だった先祖、蜂須賀小六の)血は争えないな」と笑ったという故事があるぐらいだからね。

ということで、我が家のカトラリーはぜんぜん参考にならないんだよ。カトラリーはインテリアや他の食器次第だからなぁ。。。

まず先述の「クリストフル」にも一般的なステンレス製のラインがある。これなら1本数千円でメンテナンスの手間もかからない。ただあまりこれは勧めない。

現代的なインテリアデザインや食器だったら、ポルトガルのカトラリーメーカー「クチポール」の銀メッキを施したラインなんかがデザインも美しいし、お値段的にも手頃でいいんじゃないかなぁ。いろんなデザインがあってどれも特徴的だから、わかる人はわかってくれる。あとは自分で持ってみて使いやすいかどうか。家をシンプルな北欧デザインでまとめているなら、テーブルウェアで知られる「ダンスク」のカトラリーという手もある。

ここまで海外製のカトラリーばかり触れてきたけれど、新潟県の燕三条にある日本メーカーのカトラリーもいいんだよ。ここで狙い目なのは、純銀製でもステンレス製でもない「洋白銀」と言われる製品。「洋白」というのは銅をベースに亜鉛とニッケルで作った合金のこと。早く言えば「500円玉で使っている金属」。あれでわかると思うけど、持てば重くて高級感がある。「洋白銀」はこれに銀メッキをコーティングしたものというわけ。「シルバープレート」とも言われる。

光に当てた時の輝きも重みもステンレス製とは一線を画す高級感がある。なんか口触りもステンレス製のものより柔らかい気がする。それでいて銀食器よりはずっと安くてメンテナンスも簡単。もちろん安いものではないけれど、「良いカトラリー」と言うなら、「クリストフル」のステンレス製を買うよりよっぽど良いと思う。

高級ホテルや高級レストランでも「洋白銀のカトラリー」は、多く使われている。僕は「カトラリーに洋白銀を使っているか、ステンレス製を使っているか」を、そのホテルやレストランを「高級かそうではないか」の1つの判断材料にしているぐらい。持てば直ぐにわかるからね。聞いた話では、現在は宮中晩餐会でもこの洋白銀のカトラリーを使っているらしい。

ということで、僕のオススメはデザイン的に「クチポール」「ダンスク」などを選ばず、高級なカトラリーが欲しいと言うなら、「燕三条のメーカーが作った洋白銀のもの」という結論になる。燕三条のカトラリーは18%以上のクロムと8%ない10%以上のニッケルを配合している「ステンレス18-10」「ステンレス18-8」と呼ばれるものも、一般的なステンレス製に比べると十分高品質。でも僕はそれよりお高いけど「洋白銀のカトラリー」をオススメする。

燕三条の食器メーカーはどこも品質水準が高いので、後はデザインで選んでもらえば良い。あえて企業名を挙げればノーベル賞の晩餐会でも使われた「山崎金属工業(YAMACO)」のほか、「燕物産」、「荒澤製作所」が思い浮かんだ。でもメーカー直売ではなくていいので、洋白銀ないしシルバープレートで探してみて。だいたい1本4000円前後で、ナイフだけ加工の手間ぶんちょっと高いと思う。

ただ洋白銀は銀メッキを施しているので、酸化して黒ずむ場合がある。これは「使ったら放置しないで洗い」「できるだけ毎日使うこと」でほぼ解決できる。ただ硫黄を含むものなどと触れさせるなど、相性の悪い使い方もある。もし変色させたらシルバークロスで磨いて。この辺のコツはシルバーアクセサリーと一緒だよ。

この自信がなかったら、少し質感は落ちるけど、「ステンレス18-8」などとある製品か、同じ燕三条でも「ホリエ」というメーカーのチタン製のカトラリーがいいだろうね。チタンはいろんな意味で頑丈だよ。

残念ながら日本人はグルメだなんだとうるさくて、それにはアホみたいなお金を投じるんだけど、食器やカトラリーは安物主義。だから良いカトラリーブランドが、国内向けにはだんだん安いものしか供給しなくなっている。たぶん洋白銀のカトラリーも受注生産になってしまったものもあると思う。でも食卓を豊かにして、「高級ホテルや高級レストラン並み」にしてみたいならオススメだよ。

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