質問
今の日本の福祉はまだ不十分だと思いますか?
回答
福祉といっても対象はいろいろあり、僕は「まだら」だと思います。かなり手厚いところもあれば、かなり手薄いところもあります。これは「福祉を受ける対象になる人たち」がどれだけ自分たちの権利を主張し、戦ってきたのかが大きく関係します。
例えば障害者で視覚障害者と聴覚障害者を比較した場合、手厚く保護されているのは、明らかに視覚障害者です。そもそもの障害者としての認定区分が違います。公共施設には多くの点字ブロックが敷設され、駅などにはエレベーターやエスカレーターが設置、白杖をついていれば、駅の係りの方に案内してもらえます。
たくさんの音読ボランティアに支えられていますが、全国には点字図書館があり、その200を超える団体が加盟して運営されている「サピエ」というインターネット図書館サービスもあります。視覚障害者の方が「この本を読みたい」とリクエストすれば、時間はかかりますが点字図書館を通じて音読ボランティアがそれを読んでくれ、デイジーというフォーマットで録音するので、蔵書が増える仕組みです。サピエの利用者は約2万人と言われますが、その人数を考えれば明らかに手厚いです。
全盲の方であれば外出には介護者が付き添います。最近はロービジョンと言われる、全盲ではないけれど、よく見えない方への福祉サービスも進み始めました。障害者の方へは地方自治体が福祉用具の購入費を支援してくれるんですが、視覚障害者には、その購入対象品目もかなり充実しています。以上の点で、聴覚障害者への福祉サービスはかなり遅れていると思います。
この視覚障害者への理解と福祉サービスが充実してきた背景には、かつて「全盲連」と言い、今は「日本視覚障害者団体連合」という視覚障害者団体の「戦ってきた歴史」があります。彼らは例えば「小田急線の成城学園前駅は見にくい段差があって使いにくい」という視覚障害者からの情報があれば、小田急電鉄に「要望書」を出して改善を求めます。信号の音声でのガイドが、横断歩道を渡り切るには短ければ、警察に「要望書」を出します。点字ブロック上によく自転車が停められていれば、ちゃんと取り締まってほしいと役所に要望します。こうした活動の結果、公的機関が視覚障害者のニーズを知ることができ、また「鍛えられてきた」というわけです。これが聴覚障害者では遅れ、今やっている最中です。
こういう具合に「福祉サービスを受ける対象」が、その権利を主張し、戦ってきたかどうかで、「ムラ」が出ているわけです。質問者さんは「日本の福祉サービスはもう十分なんじゃね」とおっしゃりたいのかもしれません。「それより貧しい若者をなんとかしてくれ」という主張かもしれません。でも僕は先進諸外国に比べれば、日本の福祉サービスはぜんぜんまだ劣っていると思います。ただ「ムラ」が大きいんです。
例えば政治家の票になりやすい「老人福祉」はかなり充実しています。それに比べて、権利の代弁者がいなかった「ひとり親世帯」や「寡婦世帯」への福祉サービスは、かなり手薄です。「子ども」に対する福祉サービスはぜんぜんまだだと思います。「子育て」というハンデを背負った女性に対する支援は現在、「少子化対策」という文脈で進められていますが、これは本来、福祉サービスとしても進められるべきだったと僕は考えています。そして「貧しい若者」も「生活困窮者」として十分サービスの対象になり得るんですが、彼らはあんまり権利を主張しないし、行動もしないので、福祉サービスの網の目から抜け落ちています。
福祉サービスの基本は、「人は生まれながらにして幸福な生活を営み、それを実現する権利がある」という思想を背景にして、それを実現するにはなんらかのハンデがある人をサポートすることです。「幸福追求権」は日本国憲法第13条で明記されています。
調査をすると国民の幸福度が低い我が国にあって、「福祉サービスはもう十分」とは言えないでしょう。
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