今後政治を考える上でどんなことを学んでいったらよいのでしょうか。

質問

2025年07月11日　回答

わたしは30代前半の者です。
わたしは過去SNSに毒されており、消費税を下げることの危険性、法人税を下げる意味、海外ばらまきと呼ばれる内容による国内企業の海外進出といったメリット、経済成長のための投資と世界からの財政健全化の圧力の板挟みにある財政などといったことを理解していませんでした。
そういったことを多少なりとも学んだ後、自民党は過去、大きくは間違った政策はしていなかったのではないかなぁと思うようになりました。

ただ、失われた30年や票集めのために高齢者優遇をしていることや、少子化対策などが後手後手であることは事実であるとも感じています。

こんな私が今度の選挙で投票すべきは自民党なのでしょうか？
それとも、自民党の大枠の考え自体は肯定ですが、一部改革のためのケツ叩きになるように別の政党に入れるべきなのでしょうか？

また、今後政治を考える上でどんなことを学んでいったらよいのでしょうか。
教えていただけないでしょうか。

回答

まず最初に理解していただきたいのは、僕とても答えは持っていないということです。ある考えを絶対的に正しいと考えた瞬間、その人の認識する世界は劣化します。不自由なようでも自分がこれまで磨いてきた物差しを持ち出して、提示された問題をいちいち測り、それが正しいと言えるかどうか、自分で判断するしかないんです。

これはある意味で恐ろしいことであり、わかりやすいお仕着せの正解を持ち出そうという誘惑に常に駆られます。しかし、そういうイージーゴーイングを一切自分に許さず、徒手空拳で何が正しいか悩み抜く。これが知恵の実を食べた人間に課せられた、栄光ある苦行なんだと僕は認識しています。

ですから政治に対してどういうふうに学んでいけばいいかということへの回答を先に言えば、「自分の価値判断をまず宙ぶらりんにしてください」。なんらのイデオロギーを絶対的に正しいとは思わず、いったん価値判断を留保する。その状態で与えられたテーマを自分の知恵と良心に従って、一つ一つ、愚直にその善悪と良し悪しを判断する作業を行ってください。

もちろん人間がまったくあらゆる思想主義信条から自由であるということはあり得ません。しかしそれでも出来るだけそうあろうとする。その蟷螂の斧に等しい、しかし毅然とした試みによってのみ、人間は真理と真実に最も近づけるのだ、と僕は信じています。

真実と真理を求めて悩み抜くという点で、あなたと僕は同列線上の学徒です。お互いの考えを言い合い、より正しい答えに近づこうとするアプローチは、幸いにして許されています。そこにおいてこそ自由な議論というのが成立します。ぜひ盛んに談論しましょう。僕はそうした趣旨の議論であれば、いつでも喜んで受け付けます。

第一の質問である今回自分がどういう投票行動をすべきかということは、ですから自分で悩み抜いて答えを出すしかありません。しかし参考までに僕の投票行動を言えば、今回は比例区と選挙区ともチームみらいの候補者に投票してきました。

チームみらいには確かにまだ未成熟な部分は少なからずあります。僕は自民党員であり、長年自民党に投票してきました。しかし①現在の石破茂政権を支持できない。これにノーの票を投じたい、②チームみらいの提示する技術への楽観主義と未来志向の要素を国政に少しでも加えたい、③他に支持できる政党がないーーなどといった観点からこのような投票行動をするに至りました。

これがぜったい正しいかと言われれば自信はありません。しかし自分の良心と常識に照らして、恥じることがない投票行動だったと思います。ご参考までに。