日本に大地震が起き、復興のために天文学的な額の国債発行が見込まれた場合、円の価値はどれくらい落ちるものなのでしょうか？

質問

2025月07月01日　回答

「7月5日大災害説」はともかく、今後そう遠くないうちに南海トラフ地震や首都直下地震が発生する確率は一定程度あると言われ続けています。そこで疑問なのですが、日本に大地震が起き、復興のために天文学的な額の国債発行が見込まれた場合、円の価値はどれくらい落ちるものなのでしょうか？

回答

もし大震災が発生した場合、復興債というものが発行されます。東日本大震災の時の事例や関東大震災の事例をもとに試算してみたところ、25-30兆円規模の復興債が必要になります。被害の規模によっては10兆円程度の上乗せが必要かもしれません。このところの国債発行額は年間35兆円前後ですからほぼ倍増です。

これはえらいこっちゃと言えそうですが、日本は近年、これ以上の国債発行を経験しています。それは「コロナ禍」です。2020年の国債発行額は108兆円と、2019年の約3倍、翌2021年も57兆円です。ドル円への影響は直ぐには出なかったんですが、2020年後半のドル円は100-110円程度。これが2021年末から急ピッチで円安ドル高が進行、2022年半ばには150円近くまで円安になります。

ですからご質問に回答すれば、復興債発行額にもよりますが、いずれ30-50円程度は円安が進行することが想定されます。

ただそれ以前の問題として、その規模の復興債をどうやって発行するのかという問題もあります。2020年のコロナ国債で需給はじゃぶじゃぶだからです。その規模の災害が発生していれば、日本経済は大きなダメージを受けているはずなので、引き受け手を探すのも大変でしょう。いよいよ禁断の財政ファイナンスでしょうか？

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