先日、NY市長選で民主党予備選から社会主義をとなえる左派のマムダニ氏が勝利したとのニュースを受けて驚いております。

質問

2025年06月28日　回答

いつも勉強させていただいています！
先日、NY市長選で民主党予備選から社会主義をとなえる左派のマムダニ氏が勝利したとのニュースを受けて驚いております。
富の格差による弊害もあるのか、、これから極左が台頭するようなこともあるのか、、
すこし気になっています。

回答

日本と同じように、米国でも良いことてんこ盛りの公約を掲げるポピュリストの政治家は、一定レベルの支持を集めるってことですね。マムダニさんは33歳と若く、SNSを巧みに利用して支持を広げました。NY市民への現金還元から州の最低賃金引き上げ、大企業への課税大幅強化、公営住宅の建築や病院・学校の改修推進、高所得者への課税強化などなど、比較的貧しい層が自分たちに恩恵を与え、富める層を罰してくれる候補者としてマムダニ氏に期待が集まったわけです。

しかし現時点でも民主党系候補は現職のアンドリュー・クオモ氏が磐石のトップで、マムダニ氏は左派を代表する2位という位置付けです。そしてマムダニ氏はオンラインで集めているほどの支持をオフラインでは集められていません。

ニューヨーク州の州知事は同じ民主党のキャシー・ホックル氏ですが、明確にマムダニ氏を否定していないにせよ、その打ち出している政策には消極的であることをうかがわせています。また民主党内から、マムダニ氏がニューヨーク州に拠点を置く大企業の既存の税負担を大幅に過小評価していること、住宅建設や学校・病院の改修にかかるコストも大きく過小評価していることが指摘されています。さるベテランの民主党関係者は「誰か彼にサンタクロースはいないんだってことを教えろ」と皮肉っていました。

マムダニ氏が躍進した背景には確かに米国で進む貧富の分断があるとは思います。しかし日本でも玉木雄一郎や山本太郎の躍進を防げなかったように、現代においてSNSを上手く利用するポピュリストの政治家は、一定レベルの影響力を持ち得るんだというお話しだと思います。

現時点でクオモ氏以上の候補になる見通しがなく、また州知事がマムダニ氏の政策遂行に協力しないということが救いになっています。トランプさんの「Big beautiful Bill」は富める層を支援し、米国の分断をさらに促す愚法案ですが、こういうことを今後も継続しなければ、マムダニ氏の予備選勝利は仇花で、極左が台頭するというところまではいかないと見ています。

ただマムダニ氏はバーニー・サンダース上院議員の後継者ぐらいにはなれるかもしれません。