
質問
2025年05月17日 回答
米国債の格付け見直しについて
経済状況が悪化しそうor悪化したから格下げされるのだと思うのですが、逆に、格下げにより経済状況が悪化するなんてことはあるのですか?
格付け変更によって困り果てるのは投資家だけで、実体経済に影響するわけではないのでしょうか?
格下げはFRBの判断にも影響を与えるのでしょうか?
回答
米国債の格付け見直しに経済の見通しはほぼ無関係ですね。あくまでも米国が米国債を発行し過ぎて、GDP比の政府債務が膨大になり、債務の返済が滞る(デフォルト)の可能性が出てきたから、ムーディーズは格付けを一段階引き下げたんです。それでもAa1ですが。
政府債務が米国よりはるかに酷い日本はかつてはAAaと最上位でしたが、政府債務が拡大するとともに転がる石のように落ちて今やA1。なんでも赤字国債で解決しようとする国民民主党とかが政権を取れば、Baa1も間近ですね。
米国債の格付けが落ちたこと自体は実態経済に影響を及ぼしませんが、年金などの一部機関投資家の中には債券の運用をAaa格に限っているところがあり、そういうところから売りが出る=債券価格が下落、利回りが上がる可能性が理論上はあります。国債の利回りが上昇すれば、これは実態経済に悪影響を与えます。
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