
質問
既出でしたらすみません。
りおぽんさんはなぜクリスチャンになられたのですか。
ご家族の関係でしょうか。
身近に宗教がなく(その残滓たる文化はありますが)、どういう経緯で信者になったのか、興味があります。
やはり心の安寧のためなのでしょうか。
回答
親族にクリスチャンはいません。今も妻や娘はクリスチャンではありません。
僕がキリスト教に限らず信仰を持とうかと考えたのは、47歳ぐらいの頃です。僕は当時、重い鬱病を患っていました。これは僕にとって初めてといっていい挫折体験でした。自分ができると思ったことができない。できないことが日々増えていく。思考もまとまらないし、成果も上がらない。
僕は出世には興味がない方でしたが、当時僕はその企業の執行役員レースの本命でした。自分で作ったベンチャーをIPOさせて経営者になったり、米国企業のSVPをやったりして、いよいよ本社で然るべきポジションに就くと目されていた。予定では経営戦略とM&Aを担当する執行役員で、その企業では執行役員に就けば年俸は軽く1億円を超えるのも魅力でした。
しかしそれどころではありません。3ヶ月の休職を2回しても良くならない。仕方がないので激務から外してもらい、9時5時で働けるポジションに異動させてもらう。ただその分、年俸もカットされました。社内では同情されましたが、僕は同情されるのが一番嫌いでした。
翌年はリーマンショックがあり、会社は総力戦でそれに対処します。これまでだったらその戦略を練るのが僕の仕事。しかしもうそんなポジションではありませんでした。一応それでも部長職ではあったんですが、監査人の仕事を淡々と進めます。
そんな寂寥感、やるせなさ、そして挫折感の中で、信仰を持とう、自分に合った宗教を探そうと思い至り回ます。こんな考えを持つこと自体、相当弱っていたのかもしれません。しかしとても良いアイディアに思えました。
まず調べるところから始めたのが僕らしいところです。調べたのはキリスト教だけではありません。イスラム教から仏教諸宗派、特に禅宗、そして道教などなど。摩訶止観からコーラン、新旧約聖書、老子道徳経、種々の公案、そしてヴェーダのウパニシャッド等々、めちゃくちゃな濫読を試みていきました。
49歳から1年間は古巣の経営戦略部門に戻してもらい、リハビリ的な仕事をするんですが、すでに僕には気力は残されておらず、50歳で退職しました。
この時期、僕は調べた研究成果をもとに、信仰する宗教選びに入ります。どう考えても戒律が厳しいところはムリ。女犯偈なんてあった日にはすぐ破門。当時の僕の健康状態では厳しい修行が必要なのはダメ。近くに施設がないところは避けたい。
思想的に興味を惹かれたのは禅宗や老子でしたが、上記に引っかかってアウト。こうやって消去法的に消していって、残ったのがキリスト教でした。それもいろいろ厳しいプロテスタントはムリ。どうにも融通無碍に見えるカトリックが、一番可能性がありそうにみえました。
退職後しばらくニュージーランドで静養して来るんですが、帰国後、あたりを付けていたカトリックの教会にぶらっと出向いてみました。
出迎えてくれたのは、お年を召したフランス人の神父さんでした。これからお茶にするので、一緒にお茶でも飲みながら話しましょうと誘われました。
僕はこの神父さんにこれまでの経緯を包み隠さず話しました。特にカトリックを選んだのが消去法であること、現在は信仰などないこと、将来的にも持つかどうかわからないことーーを神父さんにはっきりと伝えました。それでもこの教会は受け入れてくれるのか?
神父さんは「それでは次の日曜日からミサにいらっしゃい。それと一緒に聖書を読みませんか?」。こうして受け入れてもらえたわけです。
その頃には神父さんがフランス人であることはわかっていたので、僕はフランス語で話しかけてみました。するとたいそう驚かれて、しばらくフランス語で話したんですが、神父さんは「あなたはフランス語版聖書を読めますか。もしよかったら読書会はフランス語版でやりましょう」とおっしゃって来ました。僕に否やはありません。
こうして日曜日にはミサに非信徒として出席、水曜日には神父さんと2人でお茶会をしながら、神父さんが指定した部分を読み進め、神父さんが僕に質問したり、僕が神父さんに解釈を訊いたりする勉強会が始まりました。最初は2人でしたが、フランス語版でやっていることを聞きつけた他の信者さんも3人ほど加わりました。
ただこの時期は僕があまり日本にはいなかった時期でもあります。5人になってからは、僕抜きでも勉強会は行われ、僕は日本にいる時だけ参加するようになりました。しかしこの神父さんはそんなルーズな参加の仕方をニコニコしながら許してくれ、むしろ僕の欧州の土産話、特に数十年前に離国して以来戻っていないというフランスの話を楽しみにされていた様子でした。
この神父さんには帰天されるまで6年ほどいろいろ教えて頂きました。どんどん人が増えたフランス語版聖書の読書会とは別に、また2人だけでラテン語版聖書とヘブライ語版聖書の比較研究なんてものもやったりしました。
ミサに通い始めて1年ほど経った頃、神父さんがふと思いついたように「そろそろ洗礼を受ける気はありませんか?」と訊いて来ました。僕は「教義を知るのはどんどん面白くなって来ましたが、信仰心は相変わらずです」と苦笑して答えました。お断りしたつもりでした。
ところが神父さんは「それはまあいいでしょう。大事なのはあなたに洗礼を受ける気があるかどうかです」「戒律も何も守れませんよ。洗礼を受けてはみたくありますが」「それでけっこうです。教義についてはあなた以上に詳しい方はこの教会にいません。洗礼式をやりましょう。ただ一つお願いがあります。1年間お話ししてあなたの人となりはわかりました。戒律を守る気がないのもわかります。お願いしたいのはこの教会のことです。もうおわかりだと思いますが、この教会には高齢者とご婦人、それにお子さんばかりで壮年がいない。ぜひこの教会を支える存在になって欲しい。神にはいろんな奉仕の仕方があります。あなたにはそれができる」。
しばらく僕は考えました。そして「わかりました。やれるだけのことはやってみます」。
こんな話をしたのは2人だけの内緒話です。僕は信者さんに紹介されて大歓迎を受けるとともに、洗礼を受けました。神父さんは「あなたにはこの洗礼名が相応しい気がする」と言って、「アッシジのフランシスコ」という洗礼名を与えてくださいました。それから間もなく堅信式もやっています。
以来13年、いまだに僕には信仰心なるものがあるのかどうかはよくわかりません。しかし「教義や典礼でわからないことがあったら、神父さまがいない時はりおぽんさんに聞け」とは言われているようです。でも僕が神父さまから期待された役割はそれではありません。
直ぐに教会の広報委員長になって教会報を一新すると、放置気味だった教会のWebも一新してインターフェイスを改善する。ついでに教会に情報システムを立ち上げて情報システム委員会を設置、自分で委員長に就く。就任以来、僕はこの情報システム委員長をやり続けています。
便利なことがもうわかったので、今では何も言う人はいませんが、これらはコストがかかる話なので、来たばかりなのが何をやっているんだとおっしゃる高齢の信者さんもいたようです。しかし神父さまは「りおぽんは教会をどうすべきかわかっている」とおしゃって、支持し続けてくださいました。
この手の仕事の最後が教会の財政を支える財務委員長でした。僕が就任した頃、教会の財務内容はお世辞にも良いとは言えませんでした。その頃には神父さまはもう帰天され、次の神父さまが来ておられましたが、その方も僕に任せて下さり、教会の財務は飛躍的に良くなりました。潜在化で教会の建て替え工事が懸案としてあるんですが、いつでもそれに対応できる状態です。
イエスさまのイの字も出てこない信仰告白ですが、これが僕なりの献身であり、その過程を通じて僕は救われています。破戒を繰り返しながら、それでも自分は救われると思えるぐらいに。これはイスカリオテのユダの信仰告白なのかもしれませんが、そんなことは僕にはどうでもいいです。僕を受け入れるぐらいカトリックは懐が深かった、で十分です。
でも僕にも信仰心めいたものが芽生えて来たのかと思うこともあります。ふと「キリエ・エレイソン」と呟き、「パックス・ドミニ」と言って十字を切ってしまう。10年以上教会に通い続けているにしてはあまりに拙い信仰ですが、案外こんな細部に神は宿りたもうのかもしれません。
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