JDヴァンスが40歳という若さで副大統領まで上り詰めたのは、彼には何か特別な魅力みたいなものがあるからでしょうか？

ドナルド・トランプというのは、大金持ちだった父親の不動産事業を拡大させた、どこから見ても白人富裕層出のおぼんぼん育ちです。78歳の大富豪の老人で、大統領になるために必要とされて来た愛国心の発露=米軍軍人としての従軍キャリアもありません。州兵になって徴兵逃れをしたんじゃないかと言われたビル・クリントン以下です。しかし彼の支持層は、低学歴低収入の現状に不満を持つ貧乏な白人男性です。ここには深刻な不一致がありました。

トランプが大統領選を戦う上において、プアホワイトからアメリカ海兵隊入隊してイラク戦争に従軍、それで得た奨学金によって州立大学とイェールのロー・スクールを出て上院議員にまで上り詰めたというJDヴァンスの経歴は、若さも含めて、トランプに欠けているものをすべて兼ね備えているという意味で理想的でした。

JDヴァンスはこのプアホワイト出身であることを自叙伝にしており、これはベストセラーにもなっていたので、米国民には良く知られていました。ですからトランプは自分の支持層にマッチしているヴァンスを副大統領に据えたんでしょう。