スケッチブックのおすすめがありましたら教えてください。

質問

先日、りおぽんさんの真似をして、シュトックマーの蜜蝋クレヨンを買いました。3歳の息子にプレゼントしたら、「とっても綺麗だね！ありがとう！」と喜んでいました。
そして今日息子と川沿いを散歩中に、川に太陽の光が反射してるのを見て、息子が「川にお星様あるよ！どうして？空から落ちてきたの？キラキラ綺麗だよ！プレゼントのクレヨンでキラキラの星の川描きたい！お外で描きたい！」とお前は宮沢賢治か？とツッコミたくなるようなことを言っていました。
親バカな私ですので、将来息子が画家になったときに「幼少期に描いたスケッチ」として世に出ることも考慮して、ずっと保管する大切なスケッチブックとして買いたいと思っています。いつもはマルマンの図案シリーズを使っています。今、蜜蝋クレヨンがお気に入りなので、クレヨンにあったスケッチブックが欲しいです。サイズはA4を考えていましたが何でも大丈夫です。よろしくお願いします。

回答

マルマンの「図案シリーズ」は画学生でも使う人が多い、基本だと思います。あえて変化を付けるのであれば、クレヨンという素材に合った中目で紙に斤量がある厚口の画用紙が描きやすいんじゃないでしょうか。パステルとかクレヨンで本格的に絵を描く人には紙は真っ白ではなく、グレーなど色味のあるものが好まれます。

①マルマン「アートスパイラル」　表紙の色が綺麗でリボンがアクセントになる中目で厚口のスケッチブックです。

②ホルベイン「パステルブック」　画材で有名なホルベインのパステル専用紙です。荒目の厚口。雰囲気も良いですが、お値段は図案シリーズよりはお高め。パステル専用紙としては比較的お値段が1500円ぐらいと安価ですが、ホルベインなのでモノは悪くはありません。

③クレールフォンテーヌ「ペイントオン」　中目厚手のミックスペーパー(描くものの素材を選びません)です。フランス人が美しいノートと言われれば、まず思い浮かべるであろうブランドの1つです。本当に将来に残したいのであれば、同じクレールフォンテーヌの「パステルマット」というパステル画専用のマット紙があります。これはプロのパステル画の画家も使うもので、紙の表面がパステルやクレヨンで描いても滑らかなベロア調です。超厚口のスケッチブックでオススメですが、12枚で5000-7000円ぐらいします😅。

④キャンソン「ミタント　パッド」　同じくフランス製のコットンで出来た中性紙です。これも紙がケバ立ちにくく、プロユースです。パッドなので切り取りやすいのがポイント。キャンソンのミタント紙は世界中の画家に広く愛されていると思います。紙色は薄いブラウンが使いやすいでしょう。これが一番のオススメですが、やっぱり20枚で3000-5000円はします。全国の画学生の俺に使わせろという声が聞こえる気がします😅。現実問題としてはキャンソンなら「モンバル」という水彩用スケッチブックから使ってみてはいかがでしょう。

⑤ラウニー「アングルパステルブック」　これは英国のダラーラウニーという画材メーカーのパステル専用紙です。レイドペーパーという紙で、優しい描き心地です。安価な白地と色地があって、白地であれば2000円ぐらいからありますが、日本ではちょっと入手し難いブランドです。

⑥ターレンス「レンブラント　パステルペーパー」　これはオランダの画材メーカーのパステル専用紙です。ライトカラー中心のものとダークカラー中心のものがあって、最初はライトカラーの方が扱いやすいでしょう。30枚で2000円ぐらいとプロユースの紙にしては手頃な価格です。

⑦ミューズ「パステル　ワトソンブック」　これは日本製のものでは一番クレヨン画には向いていると思います。一つのスケッチブックに白地とナチュラルカラー、グレー地が入っています。サイズがいくつかあって、15枚で1500-3000円ぐらいだと思います。ミューズでは「ランプライト　ブロック」という水彩紙も白地ですが、クレヨンのノリは良く映えると思います。

⑧ファブリアーノ「スケッチブック」　ミケランジェロも使った750年の伝統を誇るイタリアの紙メーカーのこれはラフを描くためのスケッチブックです。A4、120枚で1500円ぐらいとお手頃価格です。

⑨アルシュ「水彩紙　パッド」　りおぽんも使っているフランスの高級水彩紙メーカーです。細目なので画材のノリが良く、コットン紙のナチュラルカラーが目に優しいです。やっぱりプロの画家も使う水彩紙で、ゴッホやピカソ、マネにミロと世界の名だたる画家が使って来たものです。おそらく全国の画学生が俺が使いたいと言っているはずです😅。細目の23センチ×31センチというサイズで12枚4000円ぐらいとお値段がお高めなのが難点です。

⑩Brustro「アーティストスケッチ」　イタリアの紙メーカーの綴じられたスケッチブックです。150ページぐらいあるので書きではあります。綴じられてはいますが水平に開くので、描きやすいです。ここまで紹介してきたものと異なり、斤量は110gと薄めですが、クレヨンの色のりは悪くないと思います。お値段も1500円ぐらいとリーズナブルです。

以上、20年後、30年後に紙色が変質していないであろう、プロの画家も使う高級な用紙を中心に紹介してみました。

僕は水彩色鉛筆で細密画をヒマつぶしに描くんですが、描くのは紹介したアルシュの「水彩紙　パッド」か、紹介しきれなかったホルベインの「ウォーターフォード水彩紙」です。後者は100%コットンの厚口中性紙。水彩色鉛筆なので水に濡らして滲ませるんですが、色滲みも綺麗です。ポストカードサイズのものがあるので、気まぐれに水彩色鉛筆で絵を描いて、一筆書き添えたものを、たまに誰かに送りつけています🤣。

いろいろ挙げましたが、マルマンの図案シリーズ以上のものを3歳のお子さんに買い与えたいという場合、自由に書けるという点ではマルマンの「アートスパイラル」(F4サイズで厚口、24枚で2000円ぐらい)、クレールフォンテーヌの「ペイントオン」のA5サイズで紙色がナチュラルかスムースホワイト(1冊1000円ぐらい)、キャンソンの「モンバル　水彩紙　パッド」の24センチ×32センチ(12枚で1800円　紙色ナチュラルホワイト)のいずれかを買い与えるといいんじゃないでしょうか。そして特に作品として仕上げさせたい時に、キャンソンのミタント紙のパッド(ブラウントーン4色アソート、20枚で3000円ぐらい)を使うことを勧めます。

日本人にとって画用紙というのは「漂白された真っ白」ですが、世界の画用紙は必ずしも真っ白ではない、ということを、幼い頃から知っておくのは悪くないと思います。