ビットコインに国家が入ると主導権が国家に依存することになると思います。アンチ中央集権的な理想論とは全然別方向に感じるのですが、どうでしょう。

おっしゃる通りです。これは僕も興味があるので、海外の仮想通貨業界関係者の発言をチェックしているんですが、おおむね２つの感情が混在しているように思えます。

一つは今後、仮想通貨の法整備、制度整備が米国で進むことへの期待です。例えばトランプさんは20日、米証券取引委員会(SEC)の委員長を仮想通貨推進派のポール・アトキンスさんに交代させました。すると翌日には早速、仮想通貨に関するタスクフォースを立ち上げた、という発表が行われています。

このタスクフォースのトップに就いたのが、これまでゲンスラー前SEC委員長の厳しい仮想通貨への規制を繰り返し批判、業界関係者から「仮想通貨の母(Crypto Mom)」と呼ばれてきたへスター・ピアースさんであることにも、業界内では歓迎ムードがあります。今後、新しいSECは仮想通貨に悪いことはしないだろうという思いはあります。

その一方、トランプ大統領が、ビットコインを米国の金融システムに組み込んでいくことに対する警戒感があることは、やっぱり否定はできません。もう一つ、トランプ大統領が就任前に「トランプコイン」「メラニアコイン」というミームコインを発表、錬金術を行ったことについては、「利益相反である」という明確な批判が業界関係者からはあります。

このプラスとマイナスで差し引きゼロ、これからの出方を警戒感を持って見守ろう、というのが現状の仮想通貨業界のスタンスだと分析しています。