カテゴリー
投資法・投資哲学

ビットコインについて二つほど疑問があります。

質問

2025年01月23日 回答

ビットコインについて二つほど疑問があります。
ひとつはビットコインのようにボラティリティが高く、しかも自国で流通量を制御できないアセットが国の戦力的備蓄に適しているのか?というもの。
もうひとつは、ビットコインの売買益を分離課税とすることに、国として何らかのメリットがあるのか?という疑問です。
経済についての知識が浅いため、この二点の疑問が腹落ちしません。特に課税区分の変更に関しては、保守的な日本においては、ほぼ見込みがない気がしてなりません。

回答

2つ目の質問は日本の話だと理解しました。ビットコイン(仮想通貨)の税制変更(税率の引き下げ)について、現在の動きと見通しについて、書ける範囲で回答します。

1つ目の質問は、まさにトランプ大統領がビットコインに踏み込む上で焦点とも言えるもので、米国が自国で発行量も流通量も制御できない民間コインを、自国通貨に紐付けても良いものか、という議論です。ドルがオーソライズすることで、ビットコインのボラティリティはむしろ抑えられると予想しますが、自国で発行量も流通量も制御できないのでは、金融政策の面でも大きなマイナスです。

ただ金も生産国や生産量が限られていて、米国には制御できませんでしたが、戦略的備蓄として機能してきた歴史があります。いかにビットコインを金に近しいものにするのかが、前回の回答で触れた「フレームワーク」の大きな焦点になるはずです。

手法はいくつか考えられるんですが、逆にこの部分をよく検討した結果、ビットコイン本位制を断念する可能性もありえると考えています。

では2問目。日本における仮想通貨の現行税制は、単純に仮想通貨の歴史がまだ浅いので、行政や政治で十分な検討が行われてこなかったからです。

現在の日本では株式(有価証券)の売却益は源泉分離課税の「譲渡所得」で、証券口座を特定口座にすれば、源泉徴収されて、確定申告の必要もありません。一方、FXや先物などの売却益は、「先物に関わる雑所得」として、申告分離課税で税率は原則一律20%ですが、「雑所得」扱いで確定申告の必要があります。仮想通貨はさらに「雑所得」の総合課税なので、確定申告をする必要がある上に、最高税率が55%です。これが経済的に非常にマイナスで、利便性も非常に悪いです。

ただこれはなぜ株式の税制がこうなっているのか、見方を変えるといいです。政府が株式に関わる所得で利便性を提供することで、株式市場における個人投資家を増やすための優遇措置であったと見ることができるからです。

その点、仮想通貨は歴史が浅い。たぶん仮想通貨を売買している方には想像が付かないでしょうが、財務省にも金融庁にも、仮想通貨がよくわかっている人がほとんどいない時期もあったんです。理解されていなければ、特別な対応がされることもありません。「なんだかよくわからないもの」として、税制度上、放置されてきたわけです。ただ徴税を行う国税庁だけは、この放置された税制で仮想通貨の徴税を行ってきました。彼らの仕事は法律通りに徴税することであって、税区分や税率に関する問題意識は持ちません。

しかし日本政府として、仮想通貨をもっと普及させるという立ち位置に立てば、税率を下げたとしても、得られる総合的な税収増の方が大きい。また単なる税収増だけに限らず、日本の金融システムをデジタル化でより先進的なものに移行させるためのインフラ作りに寄与する、という大きなメリットも見逃せません。であれば、仮想通貨に対する税制も、株式並みの金融所得税制度にしてもぜんぜんおかしくはないんです。

皆さん、あまり気が付かれていませんが、金融税制というのは、その業界団体との密接な関係性があります。証券や債券を取り扱う証券会社の業界団体は「日本証券業協会」という伝統ある組織です。理事には証券会社のトップがズラッと名を連ねているほか、金融庁の元長官や元局長、元証取委事務局長が名を連ねており、自主規制団体であると同時に権利団体にもなっています。だから売却益は「譲渡所得で源泉分離課税で特定口座あり」の優遇措置がされるわけです。

FXや先物、バイナリーオプションの業界団体は「金融先物取引業協会」です。会員には証券や銀行のほかFX専門会社や商品先物専門会社が名を連ねています。理事には銀行や証券会社のトップのほか、現時点では財務省の元審議官や日銀マンがいます。ここまで行政に理解されているので、これらの商品にかかる所得は「雑所得ではあるけれど、申告分離課税で税率20%」です。

ただし海外のFX業者、先物業者、バイナリーオプション業者は、この業界団体に属していません。だから海外FX業者などを通じた売却益は、今なお「雑所得の総合課税、最高税率55%で要確定申告」のままで放置されている。非常にわかりやすい理屈です。

では仮想通貨はどうか。暗号資産に関わる金融庁認定の自主規制団体は「日本暗号資産取引業協会」と「日本STO協会」の2つです。前者は暗号資産交換業者や暗号資産デリバティブ業者の自主規制団体、後者はSTO(Security Token Offering=電子記録移転権利)、つまりセキュリティトークン事業者の自主規制団体です。会長は北尾吉孝さんです。

本当はまだ未成熟なデジタル金融商品なので、自主規制団体の力を分散しては欲しくなかったんですが、ですから仮想通貨に関する業界団体は「日本暗号資産取引業協会」の方ということになります。会長はビットポイントの小田玄紀さんで、ビットバンクやコインチェックの経営層が理事なんですが、自主規制団体として規模が小さいので、行政に働きかけるには、これまではいかにも力不足でした。大手証券会社のトップが名を連ねる日本STO協会の方がよっぽど影響力がありました。

しかし昨年、ようやく日本暗号資産取引業協会の理事に金融庁の元総合政策局長が入ります。金融庁のデジタル金融制度問題では草分けと言える人なので、ようやく行政に税制度変更をプッシュする体裁が整ったわけです。またビットポイントがSBI証券と提携、小田さんがSBI証券の執行役員に入ることで、暗号資産勢とSTO勢の連携も成立しました。

SBIの北尾さんが「AERA」の2025年1月13日号で、仮想通貨(ビットコイン)に関する税制について、株式と同じ20%に引き下げるべきだ、とわざわざ言及して、「(引き下げに)納得しないのは石破さんだけだ」と苦言を呈しているのは、この文脈というわけです。暗号資産関連の業界団体は、まさに仮想通貨の税制変更を強く働きかけているところなんです。

また自民党のデジタル社会推進本部には「Web3プロジェクトチーム」というのがあります。ここが昨年4月に「仮想通貨の税制を申告分離課税方式に切り替え、税率を一律20%にせよ」という提言をまとめました。この提言はデジタル社会推進本部で了承され、自民党政務調査会でも正式に自民党の政策課題として取り上げられるところまでは行っています。

「Web3プロジェクトチーム」の座長として、この提言を取りまとめたのが平将明さんで、平さんは石破政権でデジタル大臣に就任しました。

このように金融庁も関係業界も自民党の一部政治家も、「仮想通貨の申告分離課税・税率20%」に向けて動いているんです。ただまだ中には金融デジタル化普及の重要性が理解できない政治家や官僚もいる。そして何より現在、政治が大混乱してしまって、自民党政権は過半数を割って、政治と金の問題が優先課題になった。また、予算を人質にされて延々と「103万円の壁」を巡ってすったもんだしてしまい、自民党税調の方々はそっちで手一杯の状況になった。

優先順位が低いとして、この話は後回しになり、残念ながら1月24日から開催される第216通常国会での法改正の議案提出は見送られました。

しかし時は満ちているし、あとひと推しすれば、実現できない感触ではありません。この問題に関わっている人たちは、無理解の中で頑張っています。日本における仮想通貨の金融所得税制の変更までは、もうしばらくお待ちください、というところです。もちろんりおぽんも頑張ります😤。

相場予測noteを無料お試しできるキャンペーン!

  • 相場当てまくりの相場予測noteを無料で読める!
  • 秘密の爆益銘柄を無料でチェックできる!
  • 紙書籍が郵送されてくる!
  • 総額1万円相当を無料でプレゼント!

超豪華な特別キャンペーンをIG証券様が実現してくれました!

ダナハーちゃん
ダナハーちゃん
全部無料ですごい🐰❗
  • 私の相場予測を無料で読める!
  • 総額1万円相当のプレゼントを無料でゲットできる!
【見ないと損する!】無料で読める!非常に高い的中率の相場予測noteで爆益を掴み取ろう!【悪用厳禁】真似するだけで爆益!大好評の相場予測! 先出しで相場予測を公開しているので、誰でも簡単に真似できます! 私は東大を卒業後、大...

IG証券でしか取り扱っていない投資対象が山ほど存在するため、私のように幅広い投資対象へ投資するなら必須の口座ですね!私自身もIG証券を利用しています!

秘密の爆益銘柄がヤバい!

30倍超えの銘柄もある!

ブログの記事は全て無料で読めますが、相場予測noteに関しては有料記事となっています。

ダナハーちゃん
ダナハーちゃん
無料記事でもすごいなら、有料記事はもっとすごい!

さらに、私の実績が上場企業であるnote社に認められ、同社が提供する金融専門プラットフォームであるnoteマネーでは金融・投資情報の専門家として選出されています。

▼相場予測・神託note

予言書とか言われちゃうレベル!?
驚異の的中率!爆益銘柄の公開!
別格すぎる相場予測を公開中!

カテゴリー一覧