りおぽんさん夫妻は多忙だったと思うのですが、お子さんとの愛着形成は難しくなかったでしょうか？

僕も妻も可能な限り、娘と過ごす時間を作って過ごしただけです。昨今ややこしい幼児教育論が罷り通って、育児をさらにややこしくしていますが、子どもは誰が自分に愛情を持っているかぐらいは敏感に察するものです。

乳幼児期の娘の面倒を一番みたのはベビーシッターさんです。中学ぐらいからは家政婦さん(佐和子さん)です。ですから娘は佐和子さんに母親か姉のように懐いています。佐和子さんは国立大学の工学部出身なので、中高期の娘の勉強の相談にまで乗ってくれました。

このように娘の養育・教育にはいろんな人間が関わっているんですが、両親もネグレクトしたわけではなく、例えば僕が自宅にいる時は、娘を僕の書斎で遊ばせて一緒に本を読み、公園へのお散歩に連れて行っています。

娘は幼い頃から「両親はとても忙しいんだ」と思いつつ、一緒に過ごせる時間をとても楽しみにしていたようです。そして「自分は誰からも愛されて育った」という意識が強くあります。ですから愛着形成なんてややこしい話とは無縁です。

ただふつうの子どもよりは自立して、親離れするのは早かったかもしれません。妻と娘の会話を見ていると、どっちが保護者かわかりません。感覚的には姉妹に近いところがあります。またふだんは父親に頼ることはないですが、困ったときだけ相談をしてきます。