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政治・経済・社会

新卒でVCになりたいと考えている者です。

質問

新卒でVCになりたいと考えている者です。
りおぽんさんはどのようにして企業価値の判断能力を上げたのでしょうか?
また、在学中にこの能力を鍛える方法など思い当たりがありましたら教えていただきたいです。

回答

これは数多の実戦経験、それも自分の進退がかかるような真剣勝負を自分の頭で真剣に考えて数をこなしたからです。

もう時効だから言ってもいいでしょうが、僕がいた会社で上層部や同僚に多かったのは、元野村證券組。アナリスト経験者も少なからずいました。兵隊として働いていた人に多かったのは、少し前に経営破綻した山一證券の再就職組。僕のアシスタントになった女性も山一組でした。

皆さん、証券会社で10年15年と働いてきたプロと言える人ばかり。でも一緒に働いていて僕は思ったんですよ。「この人たちはサラリーマンだなぁ」。自分が投資判断したベンチャーがものにならなくても、自分の腹は痛まない。お給料はちゃんともらえる。

その中にあって、僕だけが異質な立場でした。なかなか上がらないその企業のイグジット率を上げるため、その金融グループトップの依頼で入った助っ人。特別な処遇と報酬でしたが、イグジット率が上げられなければ、いつ「要らない」と言われてもおかしくはありません。僕は証券会社どころか金融機関の勤務経験さえありませんから、野村組の一部には「素人が何しにきた」と侮る向きもありました。ですからミッションであるベンチャーのイグジット可能性や価値算定は一件一件が真剣勝負になったんです。

元経済記者で金融機関勤務経験がない僕に、こんな仕事が回って来たことには伏線がありました。1997年に新聞社を退職、自分の会社を立ち上げるんですが、そこで始めたのが上場企業のアナリストレポート執筆の受託です。公認証券アナリスト試験に合格していたこともありますが、当時日本のIT革命が始まったばかりで、この分野のアナリストレポートが書けるアナリストが払底していたという事情が大きかったです。カバーしたのはIT全般と半導体産業でした。

しかし証券会社のアナリストたちにとっては完全な外様です。IT産業や半導体産業に対する知見や米国のIT革命の進捗状況の事情に精通していること、そして米国IT業界への人脈では、こちらはそこらの証券アナリストなんて足元にも寄せつかなかったので、対応は極めて丁寧でしたが、「自分たちの領土を荒らす奴が現れた」と考えているのは透けて見えました。慇懃無礼、何かあれば足を引っ張ってやるという感じがヒシヒシと伝わってきました。

しかし当時1本レポートを書くと100-200万円はもらっていましたから、会社を立ち上げたばかりの僕には失うことができない飯の種です。そこらの証券アナリストにはできない分析をして、その価値があるレポートを書く。ですからレポート1本1本が真剣勝負になりました。大外れのレポートを書いても、お給料が保証される証券会社所属の証券アナリストと、僕との違いでした。

しかし翌1998年に思わぬ縁でIT企業にヘッドハントされます。これでアナリスト仕事とは縁が切れた筈でしたが、その経営トップから与えられたミッションは、IT業界を調査して分析、それを元に経営戦略を立てることでした。そして意外な指示が出ます。調査分析の一環として、アナリストレポートを書く作業を続けろ。アナリストレポートの提出相手は変わりましたが、仕事を続けることになりました。

そして僕は1999年の暮れ、僕の人生を変える一本のレポートを書きます。それは当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったソフトバンクとヤフーに関するものでした。当時はドットコムバブル真っ盛り。誰もが両社の株価がいくらになるだろうと考え、実際、2002年にはヤフー株が1億6000万円余、ソフトバンクが19万8000円という今も更新されぬ最高値を付ける直前でした。

僕の分析の骨子は、①ソフトバンク株の株価にはヤフー株の価値がダブルカウントされている、典型的な二重上場である。②両者の株価はフェアバリューを逸脱している。両社の株価バブルはいずれ弾ける、③現状の事業実態から見て、妥当な株価は◯◯円である④IT関連企業は全般的にオーバーバリュエーションで、この2社もそうであるーー言い換えれば両社の株価の暴落予想です。

ツイッターで当時の僕のポジションを知っている方が数人いますが、当時の僕のポジションでこんなレポートを書くことはクビ覚悟であることがわかります。

このレポートはあまりに危険だということで発表は控えられました。しかし一部の業界関係者の間で密かに回覧されました。ソフトバンクの孫正義さん、ヤフー社長の故・井上雅博さんも閲覧され、お二人には呼び出されて、孫さんには数時間詰められています。

翌年2月両社の株価は最高値を付けますが、まもなくバブルが弾けます。ソフトバンクの株価は底なし沼に落ち、僕が出したフェアバリューさえ大きく割り込みました。

このレポートのおかげで僕は一つの定評を得ます。「アイツにレポートを書かせると危険だ」「しかしあらゆる情実を排して冷酷に企業価値を分析する」。

僕にベンチャー投資会社での投資判断の仕事をやらせて、イグジット率の向上を依頼したり、ミドルステージのベンチャーの分析をやらせて、その資金調達を支援する企業の取締役に据えた金融グループの経営者も、このレポートを読んだお一人です。だからこそ、野村證券だの山一證券だの専門家がすでに十分いる会社で、金融機関未経験の僕をそんな形で抜擢したわけです。

ですから僕にとって、仕事の一つ一つがヌルい分析なんてできない真剣勝負だったんです。サラリーマンのVC社員とはわけが違います。

ちなみに当時の僕の本業は、所属する企業のM&A部隊に所属して、デューデリジェンスを担当することでした。常識的に考えれば、どちらか一つでさえ、一般的にこなすのが大変な激務です。M&Aの規模も数十億円なんていう小規模なものではありませんでした。これをダブルでこなすなんて常識外、あまりの激務に労基に駆け込もうと思ったこともあるぐらいでしたが、僕の当時のポジションはすでに「労働者」ではありませんでした。

こうした常識外の激務が、後に僕が潰れて鬱病になった原因なんですが、当時はいくら言っても「代わりをやれる人が他にいない」の一点張りで、この真剣勝負は続きました。やる以上は期待以上を出すのが僕の主義です。

企業価値の算定やイグジット率の計算なんて、座学でいくらやってもできるようにはなりません。学生にできるのは、せいぜい会計知識やファンダメンタルズ分析の基礎を学んでおくことぐらいです。

本当の意味でできるようになるには、実際の経験、それも真剣勝負をどれだけこなしたのかで決まります。血を流す戦争を経験したことがない軍人には、絵空事しか言えないんです。そう考えて、まずはVCに入社して、胃の痛くなる思いをしながら一戦一戦真剣勝負でアプローチしてください。話はそれからです。

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