楽しいニッポン！キャッチコピーのセンスないですよね。

こういうキャッチコピーって政治家本人が考えるケースもありますが、それより政策ブレーンや霞ヶ関の官僚が捻り出すケースが多いです。

しかし石破政権にはこうしたキャッチコピーを捻り出すようなアイディア豊富な政策ブレーンがいません。それどころか経済政策全体を助言するブレーンが誰なのかさえ、はっきりしません。また外交政策や安全保障のブレーンとして拓大教授であった川上高司さんを内閣官房参与に選ばれました。川上さんは米国政治、特に安全保障がご専門でかねてから石破茂さんの防衛戦略のブレーンと目されて来ましたから、その意味では順当な人事です。しかし米国政府に太いパイプを持つ方ではありません。

また国際経済や金融を担当する内閣官房参与は、つい先ごろまで財務省財務官を務めていた神田真人さんです。神田さんが腰を据えて内閣に助言するなら頼もしいですが、これは財務官退任後の待機ポストで、神田さんは2月にはアジア開発銀行総裁に就任することが決まっています。

内閣官房参与がすべてではありませんが、日本経済のグランドデザインを描ける人も、また、外交で諸外国、特に米国と太いパイプを持つ人も見当たりません。これは首相秘書官も同様で、要になる筆頭秘書官は防衛省審議官だった槌道明宏さん、もう1人の政務秘書に自分の腹心の吉村麻央さんです。それ以外の事務秘書官も将来のエースはいますが、現時点で永田町や霞ヶ関に抑えが利く人がいません。アイディアマンもキーマンもいない地味な顔ぶれです。

どうも政界や官界にネットワークがない石破茂さんは、自分の味方、自分と仲が良い人でまわりを固めたがる傾向があるようです。それにしても最近には例を見ないほど、小粒な首相官邸です。このところ石破茂さんの外交関連の活動で失策や失態が相次いで見られますが、官邸が外務官僚をうまくコントロールできていないんじゃないのかという気がします。

また石破茂さんは国防以外、外部に有力な政策ブレーンがいません。特に経済政策に人を欠いています。比較的、日本総研が石破政権に近いとは見ているんですが、ブレーンとして機能するには至っていません。

また財界にも石破応援団のような存在がありません。非常に孤独な内閣というのが、僕の石破政権の印象です。

これでは「他国に先駆けてトランプ新大統領に会う」と言った剛腕を要することを実現できるキーマンがいませんでしたし、かねてからの主張である「地方創生」以上の、核になる経済政策も出てきません。

場当たり的にやるので、103万円の壁で混迷し、中国人の10年観光ビザというスタンドプレーが飛び出し、大阪万博対策でも右往左往しているんだと見ています。

首相になるには準備不足で、あまりに人望と人脈に欠けていましたね。ただ今の状況で石破茂さんのブレーンになりたい人はいないでしょう。僕だって頼まれても嫌です。