金や指数のETFだろうが、損切りしますか？

損切りラインは個別株と変えてありますが、ロスカットはします。これは資金効率を考えるからです。2000ドルで買った金が1500ドルまで下げ、1年後に2000ドルに戻るケースを考えてみましょう。さきほどのMSTRと似た話です。

2000ドルで買った金を戻ると確信して1500ドルで握り締めて、予想的中で1年後に元に戻れば、プラマイゼロです。ただこの場合、利益率もゼロです。1年間、2000ドルをキャッシュで持っていたのと変わらない。これでは非常に資金効率が悪い。

一方、10%で損切りして、1500ドルで買い直した場合、どうなるのか。2000ドルで買って1800ドルで損切りして損失200ドル。しかし金はまた上がると確信して1500ドルで再インして2000ドルに戻れば含み益は500ドル。差し引き300ドルのプラスです。ということは丸い計算では、2000ドルを1年間運用して300ドルの利益を上げたということです。年率15%。握り締めた場合と比べて、はるかに資金効率が良いことがわかります。

握り締めた場合のメリットは「自分は損切りしなかった」という満足感ぐらいですが、僕はそんな満足感は要りません。お金が儲かる方が重要です。

みんなの質問には「出来るだけ損切りしたくない」という想いが溢れていますが、多くの場合、サクッと損切りして、下で買い直して方が、多くの経済的利益が得られ、資金効率も良くなるんです。買い直すということをよく考えてください。

指数ETFについても一緒です。指数ETFが20%も下げれば暴落です。確かに指数はいずれは戻るでしょう。しかしそうやって踏ん張っても、高値でつかんだポジを握り締めているだけです。

20%と言えば暴落ですから、ある値でロスカットして、20%下げたところで買い直せば、暴落のドン底で指数ETFをポジれたことになります。これはこれから利益を出すばかりでしょう。

ロスカットして買い直した方が往々にして経済的利益が多く得られる。だから商品特性に合わせてロスカットラインは変えてありますが、僕は指数ETFでも金でもビットコインでも、また指数先物やオプションでも、例外なくロスカットルールを設けてあり、ロスカットラインにくればためらわずロスカットします。そして買い直す機会をうかがいます。