「イエスキリストが日本に逃げてきて一生を終えた」というオカルト話をどう思いますか？

源義経は衣川の戦いで討ち死にせず、海を渡ってチンギスハンになったというのと同種の話ですよね。まともに取り合うものではないと思います。いわゆる「竹内文書」で青森県三戸郡にある戸来村(現・新郷村)がキリスト終焉の地とされています。この竹内文書が発見されたのが1935年(昭和10年)の話ですから、その成立自体がそもそも新しい伝説です。

竹内文書に沿ったキリストの墓なるものが発見され、後付けでその墓には十字架なんかが建てられちゃっていたりします。新郷村では現在、「キリストの里」として村おこしを図っており、キリストの里伝承館が建てられています。年に1回、キリスト祭が開かれており、墓の周りを盆踊りみたいな踊りで回ります(そもそもこの祭りの歴史自体がとても新しいです。奇祭なんて紹介をする人もいますが、そんなものではなく、観光客目当てのものです)。

キリストの里関連グッズも豊富にあり、「キリストの里」という地酒やキリストおでん、キリストラーメンなんてものまであるんですよ。ちなみに新郷村には大石神ピラミッドなるものもあり、これはエジプトのピラミッドより古いものだと主張しています。これも「竹内文書」に由来しています。

史実かと問われれば、噴飯ものというしかないです。でも、なんら実害があるわけじゃないですし、この手の怪しい伝説は嫌いじゃないです。人口2000人に満たない過疎の村が、怪しい伝説にすがって必死に村おこしをする様には微笑ましささえ感じます。

え？　それにしても、お前、この話に詳しすぎる？

そりゃ、そうですよ。だってわざわざ観に行ったんだもの。ちゃんとキリストの墓なるものを眺めてきました。さすがに拝んだりはしませんでしたが。だから言っているじゃありませんか、僕は物見高いんですよ。この手のオカルト話は好物です。