米国の実業界のレジェンドに関して感想をお持ちでしたら、お聞かせください。

みんな偉大な人なので簡単には述べられません。スティーブ・ジョブズ氏はエキセントリックなビジョナリーという印象を持ちました。ビル・ゲイツ氏は有能な経営者であり。ビジョナリーとしての資質も併せ持っていましたね。

個人的に有能な経営者だと思ったのは、ルー・ガースナー氏です。アメリカン・エキスプレスやRJRナビスコのCEOを務めたあと、IBM初の外部招聘によるCEOの座に付き、3年間で150億ドルもの大赤字を垂れ流した同社を見事再建させました。その後はHFのカーライルグループCEOになりました。

なぜか僕は彼に気に入られていて、朝食会などによく呼ばれたのですが、ユーモアもあって頭の回転も早く、経営者としては「ザ・プロ」という印象を持っています。日本ではゲイツ氏やジョブズ氏ほどの知名度はありませんが、すごい人だと思います。

印象に残っているのは、フランク・ザーブ氏（元スミス・バーニーCEOで、NASDAQ会長兼全米証券業協会CEO）です。NASDAQ中興の祖で、NASDAQの日欧進出、24時間取引構想などを進めた人です。この計画はITバブル崩壊で頓挫しましたが。

やり手の山師という印象です。とにかくエネルギッシュで、1時間も話をすると、こちらがヘトヘトになりました。日本人で彼と対等にやりあえたのは孫正義さんぐらいじゃないかな（笑）。

バフェット氏やマスク氏とはお会いしたことがありません。