電力株って国外からの資金が入りにくいってことはありますか？

建前では10電力とJ-Powerは上場している民間企業です。しかし東日本大震災が発生した時、ふつうの企業であれば倒産間違いなしの状況だった東京電力に、政府は約1兆円もの資本注入を行ってまで救済に乗り出しました。これを見ても、経産省がただのイチ民間企業とは見ていないのが明らかです。

また改正外為法では、外国人投資家が1%以上の出資を行う場合、国に事前審査を受けなければならない「海外投資家の出資を事前審査する重点企業リスト」というものを財務省が作成しています。黙って買えば外為法違反です。

このリストには、三菱重工業や日立製作所などの国防産業のほか、10電力とJ-Power、きんでん、九電工、東光高岳、それに日本ガイシなどの電力関連企業が軒並み含まれています。確か新電力のイーレックスでさえ、このリストに含まれていた記憶があります。ですから外国人投資家は電力会社株を買う場合、相当神経を使う必要があります。

ある意味で、これが本当の「国策企業」のリストとも言えそうです。