セルサイドアナリストの質問をした者です。｜東大ぱふぇっとの米国株投資ブログ

質問

大学生で就職活動してる身分でして、CMAを取っていることもあり、いくつかの日系証券会社のマクロ・金利・為替・クレジット・エクイティなどの分析側のアナリストのインターンに参加していました。
こういうインターンなので、参加者もごく少数ですが、参加者の中で1番パフォーマンスが高かったので、今後の選考にも参加して欲しいと声をかけていただいている段階です。（全参加者に言っているのかもしれません。）

元々金融のダイナミックに憧れて、セルサイドアナリストやそれを経てファンドなども考えていたのですが、ずっと憧れてそれに向かって頑張ってきたつもりだったのですが、現実に手が届くかもしれないとなった今、世間の評価があまり高くないことや報酬体系がベールに包まれているのような些細なことで、意志が揺らいでしまっています。

ありがたいことに、面接の練習のつもりで受けていた外資系の戦略コンサルに内々定をいただいてしまい、改めて人気な業界の報酬の良さや世間からの評価の良さに羨ましくなってしまったのかもしれません。

私にとって就職先を選ぶというのはとても難しく、りおぽんさんはもっと選択肢があったのに、納得感高く進路を決めて大活躍されてるのを知り、流石だなと思います🥺

回答

なるほどすでにCMA資格を取得されているのですね。まず報酬ということであれば、証券会社の証券アナリストの報酬はさほど高くはありません。証券会社ではできる営業の方がよほど高くなります。昇進速度も速くはありません。証券アナリストの報酬を上げるには人気アナリストと評価されて、転職したりする必要があります。

僕の場合、自分の会社でアナリストレポートを受託したり、VCで投資判断をしたり、ミドルステージのベンチャー企業への投資を金融機関にアドバイスしたりする業務をやりました。

僕がアナリストレポートを書いたのはもう四半世紀も昔ですが、当時はIT業界のアナリストがほとんどいなかったこともあり、レポートを1本書くと150万-200万円で売れたので、割りのいい仕事でした。

VCの投資判断は、当時エグジット比率が低かったVCのエグジット率を上げるため、VCの社長から依頼されて引き受けたもので、報酬はほぼ言い値でした。それでもVCからすれば、イグジットが2-3%も上がれば十分引き合う理屈です。

ミドルステージの繋ぎ資金をアドバイスする業務では、その企業の取締役として招聘されています。

最終的にはIT企業を辞めてその金融グループに完全に転職すれば、年俸1億円以上出すとそのグループのトップから提示されたんですが、朝8時前にスーツ姿で出勤するのが嫌だったので、お断りしました😅。

証券会社の平均給与で働くセルサイドアナリストもいれば、業績が評価されてこういう条件を提示されることもある業務です。

一般的な報酬で言えば、外資系戦略コンサルの方がはるかに高収入です。うちの娘がいわゆるビッグ3の一角で勤務しているんですが、32歳で年収が3000万円以上です。業務内容は日本を代表する大企業の経営戦略のコンサルで、業務改善計画からM&Aの遂行まで、その企業の役員など経営幹部に幅広くアドバイスする業務のチームリーダーをやっているようです。戦略コンサルの場合、その上に自分で新しい案件を引っ張ってくる業務があるので、最近はその見習いもやっています。

証券アナリストとの大きな違いは、年収に占めるインセンティブ報酬のウェイトが非常に高い、はるかに激務である、外資系戦略コンサルはアップorアウトの傾向がいまだに強いので、20代後半ぐらいから、昇進しなければ退職することになる生き残り社会である、このため戦略コンサルや投資銀行間の転職が非常に多い、自分の会社のオフィスに行く以上に客先のオフィスに出向くことが多い、といったところです。また昨今はビッグ3でも人員のスリム化を世界的に図っています。

以上のようにセルサイドアナリストに比べると、戦略コンサルは高報酬ですが、一つの企業に終身雇用されることはレアな不安定な仕事で、業務がタフだと思います。

上記の違いを踏まえて、じっくり考えてください。