IT業界に早くから目をつけていたとのことですが、その先見性はどのように培われたのでしょうか。

僕は高校時代、Apple IIなどで遊んでいましたから、コンピュータに触れるのに違和感はありませんでした。決定的だったのは、牛尾治朗さんと雑談していた時、彼が「りおぽん君、これからはパソコンの時代が来るよ」と言ったことです。「なるほど、それは面白い、それなら自分がその変化を追いかけよう」と思ったんです。1984年のことです。この年にIBM PC/ATや初代Macが発売されているので、パソコン元年だったとも言えます。

会社にIBMの5550を買わせて、それをいじったり、勝手にIT業界(当時は情報産業と言いました)の取材に行ったりしました。僕は大蔵省担当だったんですが🤣。当時はビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアック、それにラリー・エリソンなんかにわざわざアポを取って取材に行く日本人記者なんてほとんどいなかったので、会いたい放題でした。

当時の記者は気になった新聞記事を切り抜いて、スクラップブックに貼っていくのが嗜みだったんですが、僕は会社に頼んで日経テレコンと契約してもらい、5550で記事をデータベース検索するようにしました。取材センターでそんなことをする記者は他にいなかったので、使い放題でしたが、先輩記者からは「あいつ、何をやっているんだ」と白い目で見られました。おかげでついたあだ名が「新人類記者」です😅。もちろん、これは揶揄です。

そうしている間に、その手のことはりおぽんあたりにやらせておけ、というので、情報産業担当になったんです。経済記者としては花形の大蔵省担当から左遷された格好なので、当時はだいぶ慰められた覚えがあります。というわけで、僕のIT業界歴はだいぶ筋金が入っているんですよ🤣。