大学で教鞭を執られている時に気を付けられていた点などはありますか？

質問

普段は病院で歯科医師として働いています。
昨年から関連施設である歯科衛生士学校で臨時講師をしているでのすが、学生が興味を持つような授業が出来ず悩んでいます。
そもそも基礎系の学科で自分も学生時代はちっとも面白くなかった分野なのですが・・・。
りおぽんさんが大学で教鞭を執られている時に気を付けられていた点などはありますか？

回答

たぶん「一生懸命教えよう」とされているんでしょう。僕は「教えない」ことを心がけました。講義の前に「今日は学生に何を考え、何を学びとって欲しいのか」ポイントだけは整理しておきます。でも、いきなりそれを説明することからは始めません。学生が興味を持ちそうなテーマを、時事問題でも恋愛譚でも良いので、まずくっちゃべっていきます。ちょうど質問箱みたいな感じです。

これで学生が十分講義に引き込まれとみた段階で、やおら本題に少しずつ入るようにしました。ただ、そこでも、教えることは極力避けました。これは僕が教えていたのが、経営学の実践的な内容だったせいもあるでしょうが、「知識を教えず、学生に考えさせること」に力点を置いたんです。「はい、そこの君、これについてどう考える？」という具合です。一方的に「教えられる」と思えば、学生も飽きます。教科書を読み上げれば、学生が寝るのも当然です。重要なことと雑談を織り交ぜながら、「いつ自分が指されるかもしれない」と思わせて、学生の緊張感を維持しました。

僕の社会人時代の経験談は学生にもウケが良かったですね。まあ、経営学だったせいもあるでしょうが。「リアルな話と学術的な話」を織り交ぜて話しました。例えば大型買収があれば、それがどうやって進められていくのか、といった話をした後、それについて質疑応答する中で、必要なことを話しました。「りおぽん先生の講義はなんでもアリ」というのが学生の評価だったですね。

「何を今日は教えたいのか」自分で把握していることはとても大事ですが、とりあえず、自分も「講義することを楽しんで」ください。自分で面白くないと思っている講義が学生につまらないのは、当たり前の話ですよね。