質問
2023年10月20日 回答
中長期の米国株の見通しを読むときに、金利・大統領選挙・実質経済成長率、以外に3つ重要指標/イベント等をあげるなら何でしょうか? マクロ評論家の方のセミナーなど聞いても、毎度都合のよいデータの切り抜きにしか思えず、、マクロを読むときの軸となるポイントとして参考にさせてください。
回答
常にこれさえ見ておけばいいと言う経済指標なんてないですよ。その時々の経済状況を睨みながら、見ていくべき経済指標を探るのが、腕の見せどころになります。僕が去年から関心を持ってチェックし続けている経済指標を3つ挙げれば、「ケースシラー住宅価格指数」「ハイイールド債のスプレッド」、労働省が発表する「雇用動態調査(JOLTS)」です。
後は労働省が発表する「卸売物価指数(PPI)」。以上は中身もよく精査します。コンファレンスボードの発表する「景気先行指数」はサプライズはありませんし、的中精度も低いですからこれで株価は動きませんが、中身を継続的によく分析すると面白いです。イベントはやはりFRBの高官発言が気になります。マネーサプライ(M2)から割り出す実質マネーサプライや米国債の発行規模、米政府債務残高なども現在では重要な数値だと考えています。
中東情勢がもし緊迫すれば、原油価格の上昇が米株価に大きな影響を与えるはずです。これはみんなが見るWTIだけでなく、「ドバイ原油のスポット価格」やEIAの発表する「週間石油在庫統計」も睨む必要があるでしょう。
以上に挙げたようなものは、雇用統計やISM製造業景気指数、ISM非製造業景気指数、あるいは消費者物価指数(CPI)のように直ちに株価に大きな影響を与えるものではありません。ただ、雇用統計やISM、CPIの発表を見て一喜一憂しているようでは、マクロ経済を見て株価を売買するという点では手遅れなんです。JOLTSをよーく分析して、翌月に発表される雇用統計の値を予想して動くわけです。3つというからとりあえず今一番関心を持っているものを3つ挙げましたが、それを追っかけて済むなら、みんなそれを見て儲けているはずです。マクロを見て投資するのは、そんなに楽な話ではありません。
以上のような指標やイベントは、別の人に聞けばぜんぜん別の答えが返ってくると思います。
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