女性話には怒る人が多いと言うのは日本人に多いリアクションなのでしょうか？

フランスとは大きく違いますね。ミッテランには隠し子がいたことが発覚したけど、記者から追及された彼の回答は「ええ、それが何か？」でした。これで特に問題になりませんでした。むしろ批判されたのは、それを暴露した週刊誌の方。「大統領といえど、ープライベートに立ち入るべきではない」というのが世論の大勢でした。ミッテランやシラクに愛人がいるのは公然の事実だったけど、それを追及する人はいませんでした。

オランドに愛人がいることが暴露された時はそれなりの騒動になりましたが、有力紙の「ルモンド」でさえ、「大統領にプライベートは認められるか？」というトーンで厳しく追及しませんでした。BBCの取材を受けたフランス人記者が「フランスでは愛人ぐらいいないと政治的に成功できない」と解説したのは有名な話です。

サルコジはダブル不倫しましたが、その時はさほど問題にならず、その女性を妻にして逃げられた時、「妻ぐらい魅了できない男に有権者は魅了できない」と政敵から皮肉られる始末でした。フランスでは、ことほどさように、妻以外の恋人や愛人がいるのはありふれた話です。フランスほどではないにせよ、イタリアやスペインなどラテン系の国は不倫に関して寛容です。

これが米国や英国になるとガラッと変わり、スキャンダルとされます。日本ほどではないにせよ、追及されることは避けられません。この手の話には、お国柄が顕著にあらわれます。