ふぐの卵巣漬けは食べたことありますか？

河豚の卵巣のぬか漬けのことですね。食べたことがあるというか、好物なので常備しています。

猛毒の河豚の卵巣を扱っており、長期(確か3年以上)に渡って塩漬けして作るんですが、なぜ解毒されるのかがいまだに科学的に解明されていないので、全国で石川県のみで製造することが許可されています。このため、禁断のグルメとも言われています。とても塩気が強いので、塩分制限のある僕は常時食べられず、たまに1-2切れ食べられるだけなので、僕に取ってはその意味でも禁断のグルメです。

味を食べたことがない人に伝えるのは難しいなぁ。卵巣を使った食べ物なので「からすみ」のような形状ですが、色はもっと茶褐色で硬いです。味はちょっと「アンチョビの塩漬け」に似ていると思いますが、河豚の卵巣のぬか漬けはもっとずっと旨みが凝縮されていて、噛めば噛むほど濃厚な味わいです。なんとも言えない、独特の味がするんです。

単独で食べて美味しいものだとは思いませんが、日本酒を飲みながら、酒でぬか漬けを口の中で溶かすように食べるとクセになります。ハマる人とハマらない人がいるんじゃないかな。少量、ご飯と一緒に食べても良いですが、基本的には日本酒に合わせる珍味だと思います。

僕は石川県白山市美川で江戸時代から河豚の卵巣のぬか漬けを作り続けている「あら与商店」さんからお取り寄せしています。お取り寄せするなら、このお店か石川県小松市の「すみげん」さんがいいと思います。珍味中の珍味ですが、あまり食べる人がいないためか、一個千数百円程度なので、お高いものが多い卵巣の加工食品の中ではお求めやすいと思います。