近江牛が1番美味しいと思っているのですがいかがでしょうか？

そんなの人の好き好きだけど、本物の特産松坂牛と近江牛では生産数が10倍以上違います。神戸ビーフだって但馬牛の中から厳しい基準によって厳選されるのだから、近江牛の半分以下。当然、品質管理の厳しさも違います(お値段も違います)。

僕も近江牛はサシがうまくのっている肉が多いから大好きだけど、3大和牛の中では、美味しさだけで言えば、特産松阪牛や神戸ビーフには敵わない気がします。ただ、刺身で食べるなら近江牛かな。臭みがないから。

僕的には、特産松阪牛、神戸ビーフの順で、続いて近江牛と飛騨牛、それに米沢牛や前沢牛、仙台牛などの東北勢、それに特産ではない一般的な松阪牛が同ランクで横一線に並ぶ、という印象です。それぞれのお肉には特質がありますから、どう料理するかによって、ランクは変わってきます。

宮崎牛や鹿児島黒牛も有名ですが、当たり外れがあるんですよね。美味いやつは美味いんですが、これまで僕が食べた範囲では安定していなかったのがマイナス点です。佐賀牛は評価できるほどには食べていませんが、だいたい同ランクである気がします。価格が比較的安いので、ステーキや焼き肉でたっぷり食べたいなら宮崎牛や鹿児島黒牛がいいと思います。でも、僕はステーキなら特産松阪牛か神戸ビーフを選びます。宮崎牛など九州勢にちょっと差があって但馬牛、総称山形牛が続くというのが僕の個人的な評価です。但馬牛や総称山形牛は比較的縛りが緩いので、味にもバラツキがあります。ただ美味い但馬牛はかなりいけます。

ちなみにとても生産量が少ない神奈川の葉山牛は、神戸ビーフ並みというのが僕の評価です。葉山牛の年間生産量は250頭程度ですから、取り扱い専門店に行かないと買えませんが、ステーキやローストビーフにするととても美味しいです。石川県の能登牛みたいに最近できたブランド牛だけど、これからが楽しみなところもあります。京都肉もこれから上がってくるかもしれません。京都人は牛肉にうるさいですから、彼らが鍛えるでしょう。上州和牛は赤身が多いので評価されにくいですが、さっぱりとして味はしっかりしているので、年配者や食の細い女性への贈答には向いています。最近はブランド牛がめちゃくちゃ増えたので、僕にも追い切れたいないんですが😅。

よく「松阪牛A5ランク」で騒がれる人が株クラにはいますが、「特産松阪牛」は肉質ではなく、エージングが違います。等級とは別格なんです。松阪牛は素牛がバラバラですが、特産松阪牛は「兵庫産の子牛を900日以上、松阪で長期飼育したもの」だけが名乗ることができます。長期飼育はリスクがありますから、松阪牛の5%前後の生産量と言われています。年間生産頭数は約320頭程度と言われています(近江牛は約7000頭)。

だからホンモノはとても入手しにくいし、価格は高価です。松阪牛専門店に行けばいつでも手に入るものではありません。ちゃんとした特産松阪牛でステーキ用のサーロインを松阪牛専門店で買えば100gが5000-8000円ぐらい、シャトーブリアンは安くて100gが1万円はする筈です。近江牛の贈答用に使うような最高級のサーロインが100gで2000-3000円ぐらいですから比較になりません。それでも特産松阪牛を血眼になって探す人がいるんです。

ちなみに東京で「特産松阪牛」を安定的に食べられるお店は新宿オペラシティの「松阪牛　よし田」など数えるほどですが、「よし田」で特産松阪牛のコースは1日5組までで、2日前までの予約が必要、サーロイン120gのステーキを含むコースが6万円以上とバカ高いです。松阪牛A5 等級のコースのほぼ倍になります。

もし、和牛ナンバーワンを決めるのであれば、これを食べてからにしましょう。