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投資法・投資哲学

NVDAのGPUというのは、今後何年くらいAI用として使用できるのでしょうか?

質問

2024年11月07日 回答

ふと思ったのですが、Googleやテスラなど世界的な大企業に買われているNVDAのGPUというのは、今後何年くらいAI用として使用できるのでしょうか?
思ったより早く陳腐化したりしないのでしょうか?

回答

GPUというプロセッサそのものは特にAI用と言うものがあるわけではなく、GPUで汎用計算させるということなので、NvidiaがGPUのパフォーマンス向上を続ける限り、早々には陳腐化はしませんね。問題があるとすればCUDAプラットフォームの方でしょう。

現状ではCUDA-X AIの上にAIベンダーなどがこれまでたくさんのアプリケーションを書いてきているので、それでNvidiaがAIベンダーを囲い込めているわけです。このNvidiaの牙城が崩れるシナリオは3つあり得ます。

1つ目はCUDA互換GPUによる挑戦です。CUDA互換であればAIベンダーもこれまで開発して来たアプリケーションという財産を失うことはなく、互換GPUに移行できますから、安い互換GPUがあれば乗り換えることもあり得ます。この挑戦をしているのが、中国のHygon Information Technology などです。

2つ目はCUDA以上のアーキテクチャを持つGPU を提供することです。NvidiaがCUDAの開発プロジェクトを始めたのが2006年。ですから設計思想が必ずしも最新とは言えなくなっている。同レベルの微細工程で製造された半導体チップにCUDA以上のアーキテクチャをインプリメントして、これを安く売る。であればAIベンダーも既存資産を捨てて乗り換えるメリットがあるわけです。

この形の挑戦を行っているのがTencentやHuaweyといった中国のメガテックであったり、近くIPOする噂のCerebras Systemsであったりします。

特に中国のAI市場は一時期Nvidiaのチップが90%以上を占めるほぼ独占状態でしたが、米国の対中半導体規制によって、中国のAIベンダーがNvidiaの半導体を入手しづらくなっています。Nvidiaの中国での売り上げも実際一時期の半分まで減少しています。中国のAIベンダーがやむに止まれず、CUDA互換GPUやCUDAより新しいアーキテクチャを採用した中国メーカーのGPUに手を出して、その間にライバル市場が中国で成長するというシナリオは十分にあり得ます。

3つ目は視点を変えて、スマホなどのモバイル端末に載せるAI用プロセッサで挑戦するライバルです。NvidiaのGPUというのは力任せで汎用計算を処理しているので、省電力性能があまり考えられていません。これはそもそもの仕様ですから、スマホなど携帯機器に載せるのは今後も難しいと見ています。

ですからAIの主たる市場が携帯機器に移ったら、すぐに陳腐化まではしませんが、今のIntelのように投資家から期待されないことになることは十分あり得ます。

この形の挑戦を行っているのはQualcommなんですが、これに対してNvidiaは台湾MediaTekと提携、CUDA互換の車載用SoCを供給することで対抗しようとしています。

先日公開した僕の世界PFを見返していただければ、ロットはともかく非上場のCerebras Systems以外にすべて保険をかけているのがわかると思います。

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