東京都内では生涯未婚率が高くなっておりますが、この傾向についてどうお考えでしょうか。

生涯未婚率のデータは分析すると、とても面白いんですよ。全国平均では男28%に対して女18％なので、男の方が約10ポイント高いですが、これが正規雇用労働者に限ると、男18%に女25%と逆転します。これを大卒に絞ると女の未婚率は３割近くになります。正規雇用の管理職に絞ると差はさらに大きくなって、女27％に対して男9％だそうです。女性の生涯未婚率は、女性の年収とほぼ正相関なので、「自分より稼げない男と結婚なんてしたくない」と女性が考えていることは明らかです。逆に男性の生涯未婚率は年収が上がるほど、どんどん下がります。

ご質問の都内の生涯未婚率の高さですが、都内だと地方より大卒の高学歴・高年収の女性が多いから、その影響が大きく出ているんじゃないでしょうか。

ちなみに女性の生涯未婚率が高い職業は、記者や編集者などのマスコミ職、画家や音楽家、デザイナーなどの芸術職で、どちらも生涯未婚率は40％を超えます。半分近くは生涯結婚しないわけです。実際、僕の友人にも妻の友人にも未婚女性はけっこう多いので、なるほどそうだったのか、と納得しました。「女に学をつけると、結婚しなくなる」と言って大学に進学させない親が昔いましたが、データ的にはそれが本当だったわけです。これが良いことか悪いことかわかりませんが。