質問
大手の電機メーカーとして何かと比較されがちなFNH(富士通、NEC、日立製作所)について、
投資家としての目線と、一個人としての目線(なにか思い出話などがあれば是非)でお話聞かせていただきたいです。
特にNECとかはりおぽんさんが新聞記者から転身された頃だと世界でも最前線を走っていた時だったのではと思っています。
回答
まず、個人的な思い出話から。僕が知ってる富士通は「富士通の森」と呼ばれていて、とにかく社内の指揮系統がわかりにくいことで有名でした。どこを押せば、どういう反応が返ってくるのかが、ぜんぜんわからない。社内の人にもわからないから、みんなが用心していて、なかなかコトが前に進まない。いずれこの会社はダメになるんだろうな、と思いました。富士通が本当に「富士通の森」という環境保護プロジェクトを始めた時は、ブラックジョークだと仲間内では話題になったものです。それと労働時間がとても長くて、激務で病気になったり精神を病む人が多いことでも有名な会社でした。現在、富士通は社内構造の改革中で、この「富士通の森」をどこまで抜け出せるかどうかに注目しています。
日立製作所はめちゃくちゃ気位の高い企業でした。お高く止まっていて、なかなか取材を受け付けない。取材し難くて、記者から嫌われていることでは、トヨタ自動車と双璧だったですね。僕も何度か本社広報から取材拒否処分を喰らっています。でも、社員、特にエンジニアには真面目で優秀な人が多くて、彼らの将来の技術に関する展望を聞くのは、かなり役に立ちました。当時、お茶の水駅前に本社ビルがあり、エンジニアがよく秋葉原に出没していたので、そんな彼らをつかまえて、鮨屋で鮨でもご馳走して話を聞き出すのが、僕の黄金パターンでした。あれだけ優秀な社員が揃っていた会社が一時左前になったのは、その官僚的な体質ゆえでしょうね。同社は2008年度に国内の製造業としては当時最大となる7800億円の大赤字を出し、以来、事業構造の大幅な転換に取り組んでいるのはご存知のとおりです。なんだかよくわからないグループ会社をたくさん抱えて膨れ上がっていたのを順次売却、だいぶスリムになって、何をやる会社なのか、わかりやすくなりました。
NECはその点、この両社に比べるとわかりやすかったです。当時はPC-9801が圧倒的なシェアを持っていて全盛時代でした。スーパーコンピュータで世界最高速を争っていたのも、半導体事業が世界を牽引する存在だったのもこの頃です。そのNECが迷走して、20年で売上高が半分になるまで低迷したのは、なんでなんでしょうね。僕が考える理由は、①PC-9801の寡占にあぐらをかいて環境変化の対応で出遅れたこと、②関本忠弘さんの長期政権、特に院政が続いたこと。関本さんは話せば面白い人だったんですが、③脱関本を目指して登板した西垣社長が社内抗争の結果、退陣したり、それを継いで登板した金杉社長が病気で降板して経営が迷走したこと、④その結果、赤字を垂れ流していた半導体事業や携帯電話事業への対処が遅れたこと、などです。NECも不採算事業を売却して選択と集中を進めているところですが、同社については道半ばというのが、僕の認識。まだかつての輝きはありません。
投資先としては、日立製作所が「構造改革銘柄」として注目された結果、回復しています。過去最高益を更新、配当も引き上げているので株価も大きく上昇してきました。もう少し上昇すると思いますが、現在、理論株価相当になっているので、上昇余地が現在の業績でさほど大きいとは思いません。今後も利益を増やし、新しい成長事業を育てられるかどうかです。
富士通も大きく株価は回復しています。ここ5年の株価上昇率は3社のうちでトップです。事業構造を転換させて、ハードからソフトにシフトしたことが評価された格好です。業績も好調です。ただ株価は理論株価を上回っているし、足元の業績は良くなったり悪くなったり。ここ1年余りは株価も横ばい傾向です。先月業績回復期待で上がってしまったから、当面はこれ以上の大きな株価上昇は期待しにくいんじゃないかな。
NECはこの3社では株価的に出遅れてきました。それでもこの5年で2倍になっています。特にこの1年は富士通が横ばいなのに対して、出遅れが評価されて25%強株価は上昇しました。でもNECも理論株価を上回ってきたし、個人投資家が強気一辺倒になってきたので、当面の上昇余地は10%程度と予測しています。同社はここ数年積極的にM&Aを進めてきたので、株価がそれ以上上昇するかは、その成否にかかってくると考えています。まあ、「次世代通信銘柄」期待で上がり続けてくれるなら、それはそれでいいんですが。
この3社にソニーを加えた4社の株をどれか1つ持っておこうと悩んで、その結果、僕が買ったのは日立製作所でした。これは悩ましい判断でしたが、一番下落耐性があって、円高に比較的強く、長期保有できると考えたからです。同社の株は下げても8000円だと思います。当座の上昇余地は1万1500円-1万2000円。だからそんなに面白い銘柄ではないですが、比較的安全な資産として持っていても悪くはないんじゃないかと思ったんです。
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